いくぽんのPC雑記 Vol.48  


   MonsterSound MX300 レビュー






 今回DIAMOND MM製PCI3DサウンドカードMonsterSound MX300をゲットしましたので、簡単にレビューします。


      −1st Impression− UpDate 990113

    チップセット
  • Aureal Vortex 2 (AU8830)
  • Quad AC97 codec
  • 320 Voice DLS - 4MB
    (64 Voices Hardware)
    バスタイプ
  • PCI 2.1
    S/N比
  • 96 dB
    サンプリングレート
  • 48 kHz
    アウトプット
  • 2-Buffered Stereo Outputs
    インプット
  • Microphone Input
  • Stereo Line Input
  • Internal CD/Modem/Aux. Input
    コネクター
  • MPU-401 MIDI/Game Port
  • Wavetable Header
  • MPC (CD, Modem, Aux)
    対応API
  • Aureal A3D 1.0, 2.0
  • Microsoft DirectSound3D
  • Microsoft DirectSound
  • Microsoft DirectInput(R)

    付属ソフトウェア

  • Half-Life: Day One
  • Recoil(フルバージョン)
  • DVD Sampler
  • MusicMatch Jukebox MP3 ユーティリティ
  • Midisoft Studio Recording Session
  • Midisoft MediaWorks 98
  • Midisoft Internet Sound Bar2.0
  • Zoran SoftDVD ソフトウェア DVD プレイヤ
  • プロフェッショナルクオリティのWav Editor
    パッケージ内容
  • Monster Sound MX300 PCI
  • Monster Sound マニュアル


 Monster Sound MX300の主な特徴


 Monster Sound MX300は3DサウンドAPIであるAurealのA3D1&2に対応しており、従来のサウンドカードでは到底実現できない卓越した音による3D空間を演出する。

 注記:A3Dは、NASA開発のHRTFテクノロジーとWavetracingテクノロジーを基にしたもので、縦横前後といった音源の位置の他、壁の素材や位置、周囲の構造などの音に対して与える影響をリアルタイムで計算し、 実際にそこにリスナーが居たらどのような音が聞こえているか、を再現する最新の技術。

 またISAのサウンドカードでは到底不可能な、最高96本のオーディオ ストリームを再生可能。
ゲームで使用される3Dサウンドの場合でも、現時点で16本のオーディオ ストリームをハードウエアで再生可能だ(ソフトウエアで更に再生可能。ハードウエア再生もドライバーに依る)。



 Monster Sound MX300の導入

 とりあえずPCケースを開けた後、空いていたPCI5に差し込む(PCI4にはSCSIアダプター)。
装着後電源を投入するが、SCSIスキャンの所でこけてしまう。

 しばらく呆気にとられていたが、BH6などのPCIバスが5本有るタイプのM/Bは、4と5のIRQシェアリングが上手く出来ないという事を思い出し、PCIスロットに挿さっていたデバイスを総入れ替え。
結局IRQを消費しないPURE3D2LXをPCI5に、MX300をPCI4に挿すことで事なきを得た(PURE3D2LXはファンで左のスロットを占有するためPCI5にした)。

 さて無事OSでMX200を見つけたのは良いが、今度はインストールで何故か何度もこけてしまい、数度目にやっとインストール成功。
しかしドライバーのみしか入れてくれないので、基本アプリはマニュアルでインストール(DVDプレーヤー等はさらに別途インストールする必要が有る)。
話を聞いて回ると、どうもインストーラーにバグが有るらしい(^^;・・・流石DIAMOND。

 さてどうにかこうにか音が鳴るところまで漕ぎ着けたものの、実際には音が聞こえずかなり焦る。
さらに数度ドライバーのインストールや配線を確認し、結局スピーカーのボリュームが小さかったことが原因と判明(笑)。
デフォルトではAWE64Goldより、かなり低い音量の様だ。

 さて実際に音が鳴りこれで一安心と、休みがてらHDDに放り込んでいたMovieファイルを再生。
すると初めて目にするMediaWorks98なるメディアランチャー的ソフトが勝手に立ち上がり、しまいに終了するとエラーメッセージを出す始末。
結局MIDIファイルからWAVE、ムービーファイルに至るまで全てこの駄作的MediaWorks98に関連付けられてしまっていた。
しかも関連づけの変更すら容易に出来なくなっている有様。冗談じゃない。

 さらに気分直しにA3Dの威力でも見てみるかと、A3DデモのA3Dルームを実行するといきなりハング(爆)。

これらにはかなり立腹した(ドライバーの件からだからね)。
もうDIAMONDの製品は買わん(みんな通る道だね)。


 ちなみに同時発声320音を誇ると言われる(ハードでは64だけど)MIDIを気分直しに聞いてみたが、余りにも期待はずれなその音色に、私のMX300に対する第一印象はガタ落ちになった。

 AWE64GoldのMIDIとQuickTimeのソフトMIDIで比較した場合、どう聞いてもソフトMIDI程度にしか聞こえない。大体普通に手には入るMIDIデータで、64音以上も使用するものが一体どれほど有るというのか。これは殆ど初心者相手の目眩ましに過ぎない。

 もっともMIDIがショボイと話には聞いていたので早速Win98添付のgm.dlsに差し替える。
確かに少しは音色が豊かになった印象だが、どうやら音色数自体が少ないらしくGSデータを聞くとボロボロ。
やはりどっちもどっちと言った感じだった。

 しかしパッケージでGS対応をうたっている割には(実はGMのみという噂も・・・)AWE64GoldよりGS再現度は低いという印象だ。
T-MIDIを咬ませて何とか聞けるレベルにはなるが、これは恐らく音色データ数が少ないのが原因だろう。

 まあ、MIDIを聞きたいならYAMAHAのソフトMIDIを入れるか、最初っからAWE64GoldかYMF724にしろって事なのだろう。
おもわず、「安いな・・・。・・・ああ。」というやり取りが聞こえて来そうである(久々のEVAネタだ)。

 しかし初っぱなから愚痴の連続だったので、MX300の良い点しか耳に(目に?)していない方は驚くだろう。
だが、添付品はCDオーディオケーブル一本のみだし、AWE64Goldとケーブル形状が違い余計な出費が掛かった等(これはコスト削減の為であって欠点では無いね)、まだまだ言いたい事は有るのだ(^^;


 さて気分を一新して、今度は本当に良い方向へを目を向けよう。

 まず最初に良かったと思えた点は、噂されていたペラ一枚日本語マニュアルではなく、しっかりとした全文日本語のマニュアルが添付されていたと言う事だ(ボードRevはAだった)。

 更に、やはり実際のゲームでの使用感が良かったと言う事。
まずA3D2の効果を確かめるため、AWE64Goldで一度はクリアしたHALF-LIFEをA3D設定で再プレイしてみた。
これがやはりと言うか期待どおりというか、実に驚いてしまったのである。

 一応AWE64Goldでも、音が聞こえる位置が左、真ん中(前、後ろ)、右と大雑把に解るのだが、MX300の場合、音が左から前を通り右へ、とか前から右を通り後ろに抜けて行く感じが実にはっきりと感じられるのだ。

 しかも音の移動が上下で行われている場合、AWE64Goldの場合殆ど聞き分けられなかったのに対し、MX300の場合は非常に滑らかに音が移動して行く感じが解るのだ。

それだけではない。

 何かの金属音を発した場合、周りが金属むき出しの通路の場合は、反響音が金属的にキンキンとした感じになるのに対し、広いフロアでは手元からだけ金属音がし、良く耳を傾けるとわずかに反響音が感じられるといった感じに、周りの素材や距離から全て計算された音が耳に入ってくるのだ。

 さらに無線通信の音で特殊部隊の位置が解るのだが、AWE64Goldの場合大雑把な位置しか解らず、前だと思っていたのに後ろから攻撃され非常に驚く事が有ったのだが、MX300の場合は次の角にある階段を降りた踊り場の辺りに居るといった感じに、音で位置を特定するのがさらに容易になった。

 またゲームだけではなく、通常の使用時でもAWE64GoldならどんなにがんばってもWaveデバイスは一つしか音が出せなかったのだが、MX300の場合何の苦もなく幾つものストリームを再生してくれので、なかなかカルチャーショックを受けてしまった(笑)。

 ちなみにこれら3Dサウンドの効果は、全てヘッドフォンによるものなのだ。
最初はA3Dの効果を疑っていたのだが、ここまで上下から前後の音までハッキリ解るとは、もう言うこと無しである。


 しかし良いことばかりではない。
今回最大のトラブルは、ゲームを一通り楽しんだ後に訪れた。

 そう、MEG-VC1とMX300のトラブルである。

 以前のAWE64GOLDとの組み合わせ時にはノートラブルだったのだが、MX300をインストール後“DS_AVC.DLLが開始できません”というエラーによりキャプチャーが出来なくなってしまった。
一番考えられたのはリソースの競合だったが、PCIスロットの変更やドライバーインストールの順序を変更したりの様々な手段を講じても解決されない上、競合によるエラーメッセージも一度も出ないため、ドライバー関連のトラブルと推定した。
MPEGエンコード機能自体は生きているため、恐らくサウンド処理関連のドライバーがMX300とトラブっているのであろう。

 色々各所でアドバイスを貰ってはいるのだが、今もって解決はしていない。
メルコのサポートダイアルも繋がらないし、まったく困ったものである。
せめてメールでの問い合わせくらい対応して欲しいものだ。



 Audio WinBench99ベンチマーク


 以前のAWE64GOLDと現在使用しているMX300をベンチマークに掛けてみた。

 結果は意外だった。
まさか通常のダイレクトサウンドでの占有率で、PCIのMX300がISAのAWE64GOLDにことごとく負けるとは・・・

 もっともさすがに3Dサウンドでは全面勝利だが。

Audio WinBench99 TEST MX300 AWE64G
DirectSound3D Helicopter Circle, Horizontal 100% 58.3%
DirectSound3D Helicopter Circle, Vertical 100% 60%
DirectSound CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Static:Voice 8 1.33 0.169
DirectSound CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Static:Voice 16 2.16 0.167
DirectSound CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Static:Voice 32 5.8 1.09
DirectSound CPU Util, 44.1 kHz, 16bit, Streaming:Voice 8 1.22 1.25
DirectSound CPU Util, 44.1 kHz, 16bit, Streaming:Voice 16 2.21 2.2
DirectSound CPU Util, 44.1 kHz, 16bit, Streaming:Voice 32 5.91 4.06
DirectSound CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Static:Voice 8 1.15 0.72
DirectSound CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Static:Voice 16 1.8 0.997
DirectSound CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Static:Voice 32 3.93 1.83
DirectSound CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Streaming:Voice 8 1.13 0.65
DirectSound CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Streaming:Voice 16 1.85 1
DirectSound CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Streaming:Voice 32 3.81 1.79
DirectSound3D CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Static:Voice 8 9.41 18.2
DirectSound3D CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Static:Voice 16 10.8 32.8
DirectSound3D CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Static:Voice 32 52 60.8
DirectSound3D CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Streaming:Voice 8 9.28 18.4
DirectSound3D CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Streaming:Voice 16 10.9 32.9
DirectSound3D CPU Util, 44.1 kHz, 16 bit, Streaming:Voice 32 47.6 60.7
DirectSound3D CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Static:Voice 8 8.66 9.16
DirectSound3D CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Static:Voice 16 9.41 18.2
DirectSound3D CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Static:Voice 32 29.1 34.2
DirectSound3D CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Streaming:Voice 8 8.43 9.28
DirectSound3D CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Streaming:Voice 16 9.07 17.7
DirectSound3D CPU Util, 22 kHz, 8 bit, Streaming:Voice 32 30.5 33.6
DirectSound Play Verification 100% 33.13%
 -TEST SPEC-
CPU:P2-266@309(103*3)
MEM:128MB-CL2
M/B:ABIT BH6
3DD:Canopus PURE3D2LX (Voodoo2-12MB)
OS :Windows98


 ついでに・・・

 MX300の添付ソフトにはなかなか興味深いものが多いが、 「MP3 JUKEBOX by MusicMatch」もその一つである。

 これは超高速MP3変換ソフトで、AudioCDやWAVデータをダイレクトにMP3形式に圧縮できるのだ。

たとえば4分の曲をAudioCDからMP3に変換する場合、圧縮に要する時間は1分程度、圧縮後のファイルサイズは4MB程度となる。
さらに音質の低下もそれ程無い。
wave→mp3は当然として、mp3→waveへの変換も出来るのが有り難い。


 さらに特筆すべき点として、添付のSoftDVDを組み合わせると、史上初?のDolby Digital(AC-3)をサポートできる点も挙げられるだろう。
もっともこれは現時点では出来ないらしい(爆)。



とりあえずの結論


 とにかく製品自体は文句無いのだが、MEG-VC1との相性だけはどうにかして欲しいものである。

 しかしサポートで評判の悪いDIAMONDとメルコの取り合わせだけに、ハッキリ言って私は絶望視している(-_-;

 もし解決する事があったら、その時に2nd Impressipnを行いたいと思う。



      −2st Impression− UpDate 990116

 MX300とMEG-VC1の相性の件だが、色々試行錯誤しても解決には至らなかった。

 そのため、結局一番避けたかったOSの再インストールという、最終手段を講じることになってしまった。
結果としてMX300とMEG-VC1が同居できる事となったのが、不幸中の幸いと言えるだろう。

 普段頻繁にOSの再インストール(上書きではなく新規)をする人ならば、そんなことは大した事が無いと思うだろうが、数え切れないくらいのソフトをインストールしまっくていて、しかもトラブルはできるだけOSの再インストールを避ける方針でやっている私の場合、元の環境に戻すのに数日掛かるので、まさに最終手段と言える事なのだ。

 大体486CPU+Win3.1からWin95、Win98と至るDOS/V使用暦約5年、新規インストールなんてこのかた3、4回程しかした事が無いのだ(笑)。

 さて、なぜそれ程嫌なOSの新規インストールに及んだかといえば、MX300を外してAWE64Goldに付け替えてもエラーが収まらなかったからだ。
流石にこれにはショックを受けてしまった。

 それで信じられない思いでレジストリを見てみたのだが、DMMのお陰でかなり荒らされていたのが解った。
ドライバのアンインストールくらいでは駄目だったようである。
もっともレジストリに関する知識が豊富で、さらに根気もある人なら根性でレジストリをクリーンに出来たのだろうが、その苦労とOSの新規インストールの苦労を考えると、OSのインストールのほうが幾分楽に見えたくらいである(笑)。


 と、これでは後世の為には何にもならないと思うので、一つだけアドバイスを。

 DMMドライバーを入れるときには、出来るだけクリーンな状態で!
 また、出来るだけリファレンスを使用するようにしよう!
(笑)