TAKARA
  − J−PHOENIX −



〜序章編〜

 本編に先行されてリリースされた体験版の様なソフトなのだが、一応金を取るだけ有り体験版でしか手に入らない機体や、主題歌+グラフィックスギャラリー、百機切りというゲームモードも搭載している。

 序章編だけ有りミッションは3つしかプレイできないが(しかも直ぐ終わる)、とりあえず製品のコンセプトや使用感は十分解るようになっている。

 プレイした感じ、コンシューマ向けアーマードコアといった感じで、ACのストーリーに関して感情移入が足りなかった部分をアニメチックに有名声優を起用してドラマを盛り上げたり、淡泊だったACのメール部分も主人公の立場を生かしてミッションに関係させたり、仲間からのメールが頻繁に入っていたりと、より感情移入しやすくリメイクしたと言った印象だ。

 パーツアセンブルや機体カラーリングなどの要素は殆どACと同じなのだが、パーツの研究開発の要素が有り、ACではパーツ購入に回していた資金をこのゲームでは新パーツ開発に充てる事になる。
つまり最初の内は貧粗なパーツしか買えないのではなく、低レベルのパーツしか開発できていないという事なのだ。

 これらのパーツのもつ要素までACそっくりで、やはり重量や消費エネルギー、ソリッド&熱線耐久性、HPなどを考慮しながら開発したりアセンブルする事となる。

 ちなみにゲームプレイ(キーアサイン)までACと同じで、ACをプレイした事の有る人なら即なじむ事が可能だろうが、やはり視点の上下移動は右スティックの方がやり易いと思うのは私だけなのだろうか・・・

 グラフィックスはAC2よりやや良い感じで、結構見やすいと思う。
ACのサーベルが使用時展開のに対し、このゲームでは常に稼働状態で持ち歩いているので逆に格好いいかも。
もっともサーベルを使用する時にダッシュしないので、ACの様な使い方をする事は出来ない。

 機体デザイン(どこかのアニメに登場する様な機体とか)やキャラクターデザインはかなりアニメ的になっているので、ACシリーズのハードコアな所に惚れているユーザーには逆にプレイするのが苦しくなるかもしれない。

 しかし逆にロボットものはプレイしたいけどACシリーズは敷居が高いし、なんか味も素っ気もないと思っている人には打ってつけのソフトだと言えると思う。

 とりあえず今プレイするPS2ソフトが無くて寂しい思いをしている人や、ロボットものは好きだから興味は有るけど製品版を買って後悔するのはイヤだな、と思う人には買う価値が有ると思う。

 特に百機切りモードがやり込み度高いので、このモード目当てで買っても良いかもしれない。



〜製品版〜

 序章編が好評だった本作だが、これをプレイしたユーザーからの意見をフィードバックし改良を加えられて遂に本編が発売された。

 序章編のデータが有ると特殊機体アルサレアGSやいくつかのパーツが入手できるし、資金の持ち越しもできる。
この中で最大のメリットはアルサレアGSの機体だろう。これがあれば中盤くらいなら余裕でクリアできる程の性能を持つ。

 序章編からの改良は大幅なものでは無いが、細かい点が良くなっている。
かなり不満だったメールやレーダー周りも改善されていた。
しかし大幅な物でないという事は対して変わってもいないという事で、相変わらず残弾数が解りづらかったり、レーダーレンジの切り替えがないため、接近戦ではレーダーが役に立たないなどの欠点は残る(Sショットは序章編のもの)。

 とは言ってもAC2シリーズなどの他のPS2ソフトに比べ非常に高速にセーブやロードが行えるため、ストレス無くプレイする事ができるのは良い。

 さらにメニューを精錬させたり(素人っぽいデザインが・・・)、視点が悪いので視点切り替えなどができたりすればかなり良かったのでは無いだろうか。
もう発売されてからでは遅いが・・・


 プレイしていて他に気がついたのは視点が悪いという他に、非常に資金難に陥り安いという事。
AC2シリーズでは報酬額が比較的大きく、それに対しパーツもそれ程高くないものだったが、このゲームでは購入という概念は無いものの研究開発費用に膨大な資金を必要としてしまう。

 例えば一ミッションで10,000得られるとして、そのターンで行う研究開発費や援助資金に1,000,000以上かかるのはザラ。
予算を投入しなくてもゲームはできるが、それでは何時までも低レベルの機体のままである。

 結局一ミッションクリアする毎に不足する資金を補うため、百機切りモードにまで狩りに行って稼がなくてはならない(毎回200機以上)。
これではミッションに集中することができなくなってしまう。

 あまりにも明白な収支バランスの悪さなのだが、TAKARAはこれをどう考えて設定したのかナゾである。

 しかしまあゲーム自体としてはAC2とは別分野のゲームと考えても、なかなか良い評価を下せられるのではないだろうか。
AC2系より視界が狭く圧迫感を覚えるものの、自機の操作はAC2系より二倍は思った通りにこなせる印象を受けた。
操作体系は互いに似通っているのに不思議な事だ。

 AC2系がハードなロボットシムとして、こちらはロボットアニメアクションゲームと言った印象なので、よりストーリーを楽しみたい、ロボットを操作する楽しみをもっと簡易に味わいたいという方は間違いなくこちらがお勧めである。


注記:スクリーンショットは全て体験版のものです。
しかし製品版でも大差は有りません(^^;



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