KONAMI
  − Shadow of Memories −


〜DEMO〜

 このゲームの主人公アイクは、突然何者かの手により命を落としてしまう。
しかし「死を回避したいのなら」という謎の声と共に「時間を超えるアイテム」を手に入れる。

 そして気が付くと殺される前の時間に戻っていた。

 もうすぐ自分の死んだ時間が再び訪れる・・・
それまでに死の原因を突き止め、再び命を落とさないように過去を変えていかなくてはならないのだ・・・・・


 こんな感じで目の前に迫る死を回避するためにタイムトラベルを行い、歴史を変える3Dタイムトラベルアドベンチャーゲームとなっています(コナミリリース)。

 DEMOは主人公アイクの死によって始まり、時間の狭間でホムンクルス(人工生命体)から死を回避するヒントを聞かされ、死ぬ直前の時間に飛ばされます。

 なぜ殺されたのかは置いていて(製品版では解ると思いますが)、とりあえず死因を取り除くために(DEMOでは毒殺)解毒剤を探して、過去の3つの時代(1902、1584、1582)と現代を時間移動装置を使い行き来する事になります。

 ゲーム自体はバイオなどと同じ三人称視点からの操作になりますが、このゲームでは固定カメラではなく、主人公を追尾する視点でプレイする事になります。

 しかし完全な追尾でもない独特の手法なので、ちょっと面倒な気はしますが、主観視点にもできますし、視点をぐるぐる回せるのでプレイに支障がでる事は無いでしょう。

 ゲーム画面は全てリアルタイムレンダリングで構成される3Dなのですが、最初はCGムービーかと思った程、良く作られています(FSAAによりシャギーも目立ちません)。

 主人公がFFなどで見られるような美形なのは女性ユーザーを狙っているっぽくてイヤなんですが、女性キャラも可愛くてグーって感じです(笑)。

 特にDEMOではマルガレーテという女性がクローズアップされますが、もうナイス!な感じですね(爆)。

 キャラがやはりフィギュアチックなのは仕方ないですが、モーションがとても自然で見ていて違和感が無く良い感じです。

 ゲーム的には若干の行動や選択でイベントを起こして、後は殆ど自動でイベントが進行して行くのを映画を見るかのように見るだけという感じで、ストーリー重視の作りになっている印象です。

 会話は全て英語で、日本語字幕が表示されるのですが、個人的にはそういう風に格好つけなくても、日本語で会話してくれた方がよほど感情移入できるのに・・・と思いました。

 しかしシナリオも良い感じだし、キャラも良い感じだし個人的には気に入った作品(DEMO)でした。


〜製品版〜

 体験版が面白かったので製品も購入してみた。

 一通りプレイし終わった感想としては、流石に直木賞作家(宮部みゆき)が関わっているだけ有り、ストーリー はかなり良い線行っていると思った。

  時間旅行という題材も有って、かなり複雑に話が 絡み合っていてタイムパラドックスを体験したり過去に自分が行った行動が現在に反映されるのを見る事ができたりして、さらにどんな事ができるのか色々チャレンジできて面白い(本編とはあまり関係ないが)。

 まるで短編小説を読んでいるかの様に一気にプレイしたくなるのが困りものだが、それは贅沢な悩みか(笑)。

 グラフィックスは上でも言っているが文句無しの出来で、PS等のゲームのムービーシーンに匹敵する美しさでゲームを行えるのはやはり良い。
人物に割いているポリゴンはかなり多いようで、顔などもとても滑らかに描写されている。

 風景やオブジェクトの造りも丁寧で、時間帯や季節、時代によって様変わりする小さな街を自由に 散策できるのが面白い。

 またこのゲームでは人物の表情、口の動き、仕草などを 音声にリンクさせるシステムを採用しているが、それも プレイ画面をムービー品質にしている要因に挙げられる。

 システムもゲーム初心者にも親切で丁寧な造りになっており、 特にプレイしていてつまずく事は無かった。 ヒントも自然に与えられるので、変に引っかかること無く EDまで行くことが出来ると思う。
ゲームオーバーもよほどの事をしないとならないのも親切。

 プレイしていて悪い所が特に思い当たらないソフトはとても珍しいと思う。
まあ何度もプレイしたら要望などは思い浮かぶのだろうが。

 またプレイしていて登場人物に愛着を感じたという事は 声優さんのしゃべりや人物のモーションが自然だった と言うことで、それはこのソフトの品質の高さを表して いると思う。

 クリア後エンディングが5つ有る事が解ったのだが、私が最初に到達したのはバッドEDの様なので(Type-C)、再度プレイし直してみたい。

 別なED(できればグッドED)を見たら、またその時に追加レビューしたいと思う。


〜2ndReview〜

 標準の5つのEDを見ることができた。

 そのどれもがストーリーに破綻を来すことなく、しかも新鮮な驚きを与えてくれるものだった。

 いわゆるifという形で様々な結末を見ることができるのだが、やはりワーグナー博士は・・・?

 マルガレーテやダナに関してや、自分の命を付け狙う人物の正体、動機、フォーチュナーの正体。
映画監督の将来、様々な事柄が解明されて行く様が素晴らしい。

 ただエッカートさんの奥さんを救い出すことや、ホムンクルスの本当の正体、教会で何もイベントが無かった事、他にもさらなるイベントを起こしきれなかったことが気がかりだが、何れは各雑誌の攻略で明らかにされるのだろう。

 また全てのEDを見た後にプレイできるEXTRAモード、これも実に興味深い。
ここまでやってくれるとは本当に良い仕事をしてくれたという印象である。

 同時期にプレイしたZ.O.Eが何と情けなく見えてくることか・・・
まあそれはさておき、このゲーム現時点までプレイしたPS2ゲームの中でトップの出来だと言っても過言では無いだろう。



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