いくぽんのPC雑記 Vol.31
UpDate Rev.1 980202
Parallel Port ZIP vs SCSI ZIP
今回はインターフェースの違う2種類のZIPレポートです。
比較対象商品は、パラレル版はMAXELL製ZIPドライブ、SCSI版はFUJIFILM製ZIPドライブです。
何れの商品もドライブ自体はIomegaが生産。ディスクは3.5inchのFDを若干大きくしたサイズで、容量は100MBです。
本体価格はパラ、SCSIとも15,000円〜20,000円。ディスクは980円〜1,980円程で購入できます。
国内ではそれ程人気は無いのですが、アメリカではMOより普及しており、最近はATAPIインターフェースの物も登場しZIPからも起動出来るようになっています(要BIOS対応)。
ポスト次期FDDとも言われていますが、最近はFDDと完全上位のドライブが出てきたためZIPの立場が危うくなっています(笑)
それでは各ドライブのメリット&デメリットを考察してみましょう。
FUJIFILM SCSI ZIP
メリット
- 手軽な100MBの大容量リムーバブル装置
- 低価格な本体
- 高速な読み込み、書き込み速度(約1MB/sec)
- ドライブが98とPCで共用できる
- 小型軽量の本体とACアダプター
- 電源スイッチ付き
- ターミネーター内蔵
- 本体にファンが無い静穏設計
デメリット
- 高価なSCSIアダプターが別途必要
- 高価なSCSIケーブルが別途必要
- SCSI-IDが5と6しか選べない
- 耐久性に乏しいメディア
- メディア単価が高い
MAXELL Parallel Port ZIP
メリット
- 手軽な100MBの大容量リムーバブル装置
- 小型軽量の本体
- 低価格な本体
- 初期投資が本体のみの最小で済む
- パラレルポートの付いているPCで有れば、即接続可能
- パラレルケーブルが付属
- 他のパラレルデバイスとデイジーチェン可能
- 本体にファンが無い静穏設計
デメリット
- 非常に重く巨大なACアダプター
- 読み込み、書き込みとも低速(Win95上で約100KB/sec)
- 電源スイッチ無し
- ドライブはPCでしか使用不可
- 耐久性に乏しいメディア
- メディア単価が高い
上に挙げた項目には、ZIP共通のものが含まれています。
共通のメリットはやはり、本体価格が低価格な事でしょう。
初期投資が最小で済むのは、やはり有り難いことです。
しかしSuperDISKが登場した今となっては、少し有り難みが薄れてきました。
共通のデメリットは、MOの約5倍というメディア単価。
そしてDISKの信頼性の問題でしょう。
接触メディアで有る限り、MOより耐久性が劣るのは否めません。
しかしHDD代わりに使ったりしなければ、それ程問題にはならないレベルです。
もちろん付属のソフトには、その問題を解決するユーティリティーが含まれています。
では、ZIPを購入する際どちらを購入すれば良いのでしょうか?
現在SCSIアダプターを持っていない、またデスクトップとノートで共用して使いたいと言う場合にはパラレルZIPをお勧めします。
本体のみ購入すれば、後はゲストプログラムを実行するだけでDOSでもWINでも使用可能になります。
アクセススピードが非常に遅いのが欠点ですが、たまにバックアップする用途だけでしたら十分実用に耐えます。
DOSでは95上より速く、300KB/sec程のスピードが出ます。
一番パラレルZIPが重宝するのは、FDDでは持ち運び出来ないような100MB近いファイルでも、PCならどんなマシンにも接続&コピー出来る事でしょう。
SCSIアダプターが既に有るのなら、SCSI-ZIPがお勧めです。
MOやPDとは比較にならないほど高速に、HDD感覚で読み込み&書き込みが出来るのが魅力です。
スペック的には、一昔前のHDD相当のものを持っています。
ケーブル探しが面倒かも知れませんが、ターミネーターを内蔵しているのは便利です。
HDBENCHの結果ではナゼか、Read/Writeとも800KB/sec程しか出ませんでしたが実測では1MB/sec以上は出ている感じです。
ランダムアクセスに弱いのかな? ZIPは。
とにかくパラレルZIPを一年以上使ってきたのですが、SCSI-ZIPの速さは感動ものです(^^;
まあ10倍も速度が違えばね(笑)
でもパラレルZIPも相変わらず捨てがたい・・・
現在はSuperDISKなどの新しい低価格&大容量のデバイスが登場してきたために、ZIPの存在価値が危うくなってきました。
しかし他のデバイスには無いメリットも多いため、個人的にはこれからもZIPを応援したいものです。
メディア単価さえ下がればまだまだいけるデバイスですので、これからもメーカー様にはがんばって欲しいですね。
鈍足で有名なパラレルzipですが、設定次第でかなり高速になります。
Windows起動後でも、DOSモードでGUEST.EXEを実行するとZIPを認識させる事が出来ますが、この時にGUEST.INI へのオプションの記入次第で速度が変化します。
例:
ASPI=ASPIPPA3.SYS SCAN /MODE=3 /SMC=Yes /SPEED=10
この場合、『/MODE=3』は ECP パラレルポートを意味し(2:EPP 1:BI-DIR 0:PS/2 互換?)『/SMC=Yes』は SMC互換の高性能チップを用いている事を意味し、 『/SPEED=10』は転送速度を最大に設定する事を意味しています(1〜10)。
この設定で、書き込み 読み込みとも300KB/sec 程度出ました(設定無しでは100KB/sec以下)。
書き込みはCPU速度も影響するようですので、高速なCPU程書き込みも速くなります。
ちなみに最新のWin95用zipドライバーでは、パラレルポートアクセラレータを使用することにより同等の効果を上げることが出来ます。
パラレルポートは高速なECPに設定してこれを行って下さい。かなり速くなると思います。
しかし場合によってはエラーが出るときが有りますので、その時には『SPEED=x』(Win95では6がMAXです)をエラーが出なくなるまで下げるか、もしくはECPではなくEPPかNormalに変更して下さい。
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