いくぽんのPC雑記 Vol.39 UpDate 980411 ..991118(新サンプル追加)
MEG-VC1レビュー
今回はリアルタイムMPEGエンコード&MPEGビデオキャプチャボードであるMEG-VC1をレビューします。
私がこのボードを購入しようとしたきっかけは、近所のダビング屋が潰れたことに有りました(笑)
それまでビデオをダビングする場合はその店に頼んでいたのですが、潰れてしまった今となっては自分でもう一台デッキを購入する他、手がありません。
と、普通の人なら思うはずですが私の場合もう一台のデッキを購入するのが勿体なくて(今のデッキもつい最近購入したばかり)ダビングの為だけに、このデッキよりも高価なキャプチャーボードを購入してしまったのです。
ちなみに「高価な」と言いましたが、それはあくまでも私の金銭感覚からであって、実際MEG-VC1はとんでもなく安価なリアルタイムMPEGエンコード&MPEGビデオキャプチャボードなのです。
大体これ以外のMPEGエンコーダーは10万以上するのが相場で、実売で4万を切るボードが存在すること自体不思議です(^^;
もっとも普通のAVI形式のキャプチャーボードなら数万で購入できるご時世ですが、30分のOVAなどでもAVI形式で保存するととんでも無い容量になってしまいます。
中にはAVI→MPEGへソフトウエアでエンコード出来る製品も有りますが、それでも元のAVIファイルと生成されたMPEGファイルとで、やはり膨大なHDD容量が必要となるのは避けようが有りません。
私の目標は作業領域に1GBのパーテーションを確保し、CD-R一枚に30分のOVA(笑)を二本納める事ですから、必然的にリアルタイムMPEGエンコードカードが必要になる訳です。
と言うわけで、私のお目に適う(笑)キャプチャボードはMEG-VC1しか無かったわけです。
しかし!
金銭的な障害は何とか克服出来るかもしれませんが、全て埋まったバスと空きのないIRQだけは私にはどうにも出来ません(笑)
ちなみに私の使用しているM/Bは、PCIx3,ISAx2、PCI/ISAx1の構成になっています。
それが最近までは、PCIにPW3DV+Monster3D+DC-390、ISAにNIC+AWE64Gold+MODEMと全て埋まっていたので、これ以上の増設は不可能だったのですが、幸運にもタイミング良く内蔵モデムを外付けと交換する事が出来たのでISAが一枚空くことになり、PCIデバイスを一枚導入することが可能になったのでした。
だが、しか〜し!(笑)
バスは空いても、IRQには依然空きが無かったのです(涙)
メーカーの情報では、MEG-VC1はIRQのシェアリングが出来ない事になっていましたので、これはもう絶望的でした。
ですがダメ元でインストールしてみると・・・・、なんとまあ見事にUSBホストコントローラとシェアリングしてくれ、動作することが出来たのです(T_T
これで晴れてMEG-VC1を、マイマシンで使用することが可能になりました。
次はメーカー公示のMEG-VC1に関する資料をご覧下さい。
リアルタイムMPEGエンコード/デコード
MPEGビデオキャプチャボード MEG-VC1
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MPEGビデオキャプチャボード「MEG-VC1」 MPEGビデオキャプチャボード「MEG-VC1」は、DEC社製MPEGエンコード&デコードチップ 「21230 Video Codec」を搭載、ビデオ映像とオーディオソースをリアルタイムにエンコ ードしMPEG1ファイルまたはビデオCDデータを作成することができます。従来数十万円のシ ステムを必要としたMPEG1のエンコードを超低価格¥49,800で提供することにより、動画を 用いた効果的なプレゼンテーションや、インターネット、PR用に配布するビデオCDの作成 など幅広い用途に利用いただけます。CD-Rドライブ「CDS-R2W4R」と組み合わせて利用いた だくことにより、ビデオテープで行っていた店頭デモなどをパソコンに置き換えることが 可能となり、よりスマートな展示を行うことができます。 MPEGビデオキャプチャボード「MEG-VC1」の詳細 製品名称: MPEGビデオキャプチャボード 型番: MEG-VC1 価格: ¥49,800 パッケ−ジ内容:MEG−VC1(本体) ユ−ティリティ Xing MPEG Player ユ−ザ−ズマニュアル 保証書 ユ−ザ登録はがき 対応機種: DOS/V(OADG仕様)対応のPCI(2.1以降)バス搭載パソコン ※以下のパソコンではご使用になれません。 富士通 FMV-575D4 FMV-5150DPSモデルSP7/SP5 FMV-5133DPSモデルSE7/SE5 FMV-5120DPCモデルCM/CE 対応OS: Windows95 推奨環境: CPU:Pentium120MHz以上、HDD:高速転送可能なHDD(SCSI対応)、 メモリ:32MB以上、グラフィック:DiretDraw対応(32K色表示以上) 製品特徴: ●DEC社製MPEGエンコード&デコードチップ「21230 Video Codec」搭載 ●ハードウェアでMPEG1のエンコードとデコード機能に対応 ●秒間29.97フレームのフルモーションキャプチャ機能搭載 ●Video for Windows(MPEG1 I-frame and WAV Audio)対応 ●VideoCD Ver.2.0対応 製品仕様: [Video部] 入力端子: RCA(Composite),S-Video(S端子) 入力フォーマット:NTSC データフォーマット:MPEG1、 フレームレート:29.97fps Videoサイズ:352×240( full ),176×120( square ) データレート:0.3〜5Mbps 生成GOP:III、IBBP、入力調整:明るさ,コントラスト,色相,飽和、 [Audio部] 入力フォーマット:MPEGレイヤ1,2、サンプリング:32/44.1/48KHz ビットレート:64k〜384kbps、モード:モノラル/ステレオ 入力端子(LINE IN):3.5mmステレオミニジャック 出力端子(LINE OUT):3.5mmステレオミニジャック 入力端子(ステレオマイク):3.5mmステレオミニジャック [対応フォーマット] Video CD Ver.2.0,AVI,MPG,MPU,MPA,WAV 付属品: MPEGキャプチャユーティリティソフト「MPEGキャプチャ」 Xing「MPEG Player」
私の購入した最新版では付属ソフトが異なっており、MPEGキャプチャソフトの他MPEGエディターとMPEGトランスコーダーが一枚のCD-ROMで供給されていました。
MPEGエディターはMPEGデータを切り張りするユーティリティですが、MPEGの特徴でもある数コマまとめての圧縮データを編集するため、編集単位が約0.13秒単位(約4フレーム単位)になり、残念ながら完全なコマ編集は不可能です。
また更に残念なことに、編集可能なMPEGファイルの圧縮率が固定なので、高画質でキャプチャした場合には編集ができません。
ユーティリティ自体も自在にファイルを編集という点に関して使い勝手が悪く、高度な編集作業にはこのボードが向かないことが解ります。
まあ値段相応という事でしょう。
しかしこの辺りの情報が全く説明書に書かれていないのは、問題だと思います。
説明書にはボードとソフトのインストール方法しか書かれて無く、各ユーティリティの使用説明は全くありません。
ユーティリティの使い方に関してはヘルプを見ろ、と言う方針のようです。
しかし前述の、高画質でキャプチャした場合には編集ができないという事はヘルプにすら掲載されて無く、他のWebページを見て初めて解った事でした。
他にも、ハードウエアデコード機能が使える条件等、技術的な事などがヘルプに記載されていません。
幾ら低価格にしたからとはいえ、これらは不親切過ぎるのでは無いでしょうか。
文句はこれくらいにして、MEG-VC1の説明を続けます。
下のショットは、メイン機能であるMPEGキャプチャユーティリティです。
MPEGプレイバックはMPEGファイルの再生、MPEGキャプチャではビデオソースからのキャプチャリング、スチルフレームキャプチャでは静止画の取り込みを行います。
他のキャプチャユーティリティを使用したことがないので解らないのですが、このユーティリティは予めキャプチャする時間を設定してからキャプチャリングするような仕様になっています。
しかしこれだと、実際の再生時間が解らなかったり記載の時間をオーバーして収録されているソースの場合、キャプチャ出来ない部分が出来てしまいます。
一度キャプチャを始めてしまうとこれらの設定は変更できないため、結構不自由を感じるポイントです。
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標準設定でキャプチャする場合には、ビデオを再生させるのと同時にRECボタンを押せばOKですが、オプション画面で色々な設定をすることも可能です。
上の設定画面で、生成するMPEGファイルをVIDEO-CD形式にするか選んだり、映像と音を分離してキャプチャするか選んだり出来ます。
さらにMPEGの画質を変更したり、MPEGファイルをWebに掲載したりする時のために1/4画面サイズに変更したりする事も可能です。
ちなみにココでビデオビットレートを変更すると、MPEGエディターで編集できなくなるのは前述の通りです。
しかし編集する事を考慮しない場合や高画質でキャプチャしたい場合には、ビットレートを可変する事が出来ます。
ちなみにビットレートを2000kbpsに設定して30分ほどキャプチャしてみましたが、通常画面では1150kbpsと比べて目立った変化は見受けられませんでした。
その代わりファイルサイズは300MBから450MB程と、かなり増大してしまいました。
しかし標準の1150kbpsでキャプチャしても2000kbpsでキャプチャしても、動きの激しい場面で生じるブロックノイズの発生は変わりが有りませんでした。
あまり高レートでキャプチャしても、メリットは無いかもしれませんね。
サンプルムービー(CGアニメ編){1150kbps/44.1KHz/34sec/5.52MB}
ダウンロード可能
サンプルムービー(アニメ編){1150kbps/44.1KHz/16sec/2.64MB}
現在削除中
サンプルムービー(実写編){1150kbps/44.1KHz/14sec/2.35MB}
ダウンロード可能
実際キャプチャしたMPEGを見てみると、やはりTVで見る時とは再生品質が異なるのが解ります。
(アニメは色再現性、実写は動きの速いシーンでのブロックノイズに注目して下さい)
解像度が低いのは致し方のないことですが、色深度の再現性(鮮やかさ)の点でMPEGはかなり苦戦させられます(高圧縮だから仕方ないですね)。
実写やアニメーションなどのソースの違いによってベストな設定が異なる上に、様々に設定をいじってもTVと同じ様な画質はなかなか得られません。
しかし、まずまず妥協できる範囲の映像は得られると思います。
他に問題点と言えば、テープの状態によってはかなり画面のブレが気になると言った事でしょうか。
これもプロ用の機材なら補正する術が有るのでしょうが、MEG-VC1の場合はこれも妥協するしか無いですね(^^;
しかしそれらの欠点を考慮に入れても、やはりビデオをCD-Rに収録する事が出来る魅力は大きいです。
画質は3倍録画モードと同等クラスですが、何しろそれ以上は悪化しないわけですし(笑)、もちろん巻き戻しの手間も掛かりません。
さらに見たいシーンを抜き出して再構成し、ベストシーン集なんて言うのも簡単に作れるわけです。
なかなか時間が無くて見られない番組を録画しておいて、仕事の合間の息抜きに会社のPCでチェックと言った事も可能です。
その場合は、CD-RよりもCD-RWの方が経済的かもしれませんね(^^;
CD-R一枚に約65分間の映像が収録出来るわけですから、平均的なOVAなら二本のテープを一枚のCD-Rに納められるわけです(笑)
もちろんPC上で再生させるデジタル映像ですから、スクリーンショットを取ることも簡単に出来ますし。
また、収録時間2時間の映画などは、エディターで分割して2枚のCD-Rに収録する事も可能です。
もっともキャプチャーした映像は、VIDEO-CDにして家庭用プレーヤーで見ることもできます。
これに関しては面倒な手順を踏まなくてはなりませんが、まずVIDEO-CD形式でキャプチャーし、次にEasy CD CreatorのビデオCDクリエータを使用することで、一般家庭でも再生できるVIDEO-CDを作成することが出来ます。
皆さんもPCをクロックアップの材料にするだけでなく、楽しむための道具として使ってみませんか?
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