いくぽんのPC雑記 Vol.40  UpDate 980428 ..980523(ベンチマーク結果更新)


   FAST-SCSI vs ULTRA-SCSIレポート



今回はSCSIインターフェースの違いによる性能差をレポートします。
対象アダプターは
TEKRAM DC-390FAST-SCSI(SCSI-2)と、TEKRAM DC-390UULTRA-SCSI(SCSI-3)です。

Ultra SCSI対応のHDDをFAST-SCSIアダプターに繋ぐと速度低下を起こすのか(性能を発揮しきれないか)。
Ultra SCSI対応のHDDをFAST-SCSIからULTRA-SCSIアダプターに繋ぎ替えると、HDDのアクセス速度は高速になるのか。

以上のポイントを、ベンチマークテストによって調べてみたいと思います。


ちなみに、私の環境ではHDDの他にスキャナーやCD-R、ZIPドライブもデイジーチェンされていることを付け加えておきます(CDなどの遅いデバイスがぶら下がっていると、SCSI全体の速度低下を招く)。


尚、テストにあたってはHDDにスピードディスク(デフラグ)を掛けました。
しかしCドライブなどはアプリがパンパンにつまっているため、HDD初期状態より約20%近くベンチ結果が下がっていることも付け加えます。
テストも、普段使用している状態で行いました(高速な設定にはしていない)。


TEKRAM DC-390FAST-SCSI(SCSI-2)

 CHIP:AMD-AM53C974
 転送速度:
 非同期:5MB/sec 同期:10MB/sec

TEKRAM DC-390UULTRA-SCSI(SCSI-3)

 CHIP:SYMBIOS-53C835
 転送速度:
 非同期:5MB/sec 同期:20MB/sec

TEST対象HDD
Quantum XP34550S - Atlas II Ultra SCSI:4.5 GB RPM:7,200



  Benchmark Result

WinBench97
TEKRAM DC-390

Business Disk WinMark 97           586  Thousand Bytes/Sec
High-End Disk WinMark 97          2290  Thousand Bytes/Sec

TEST                                                      SCORE  UNITS             

Disk Playback/Bus:Overall                                   586  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/Bus:Publishing                                935  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/Bus:Database                                  746  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/Bus:WP/SS                                     471  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Overall                                   2290  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:App Dev                                   5310  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Image Editing                             2790  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:CAD/3-D                                   1750  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:AVS                                       1240  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:MicroStation                              4120  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Photoshop                                 2710  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Picture Publisher                         2870  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:PV-WAVE                                   1520  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Visual C++                                5310  Thousand Bytes/Sec
TEKRAM DC-390U

Business Disk WinMark 97           637  Thousand Bytes/Sec
High-End Disk WinMark 97          2200  Thousand Bytes/Sec

TEST                                                      SCORE  UNITS              

Disk Playback/Bus:Overall                                   637  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/Bus:Publishing                                948  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/Bus:Database                                  809  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/Bus:WP/SS                                     521  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Overall                                   2200  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:App Dev                                   5470  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Image Editing                             2830  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:CAD/3-D                                   1630  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:AVS                                       1080  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:MicroStation                              4210  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Photoshop                                 2440  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Picture Publisher                         3360  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:PV-WAVE                                   1480  Thousand Bytes/Sec
Disk Playback/HE:Visual C++                                5470  Thousand Bytes/Sec

Wintun97
TEKRAM DC-390

C:\ Cached speed	28 MB/s
C:\ Uncached speed	4 MB/s
D:\ Cached speed	24 MB/s
D:\ Uncached speed	4 MB/s
E:\ Cached speed	26 MB/s
E:\ Uncached speed	4.1 MB/s
TEKRAM DC-390U

C:\ Cached speed	30 MB/s
C:\ Uncached speed	4.9 MB/s
D:\ Cached speed	30 MB/s
D:\ Uncached speed	5 MB/s
E:\ Cached speed	30 MB/s
E:\ Uncached speed	5 MB/s

HDBENCH
TEKRAM DC-390

SCSI = Tekram DC-390 PCI SCSI Adapter
CDE = QUANTUM XP34550S         Rev LXY4

  Read Write  Cache Drive
  7376  7225  18691 C:10MB
TEKRAM DC-390U

SCSI = Tekram DC-390F/U PCI SCSI Adapter
CDE = QUANTUM XP34550S         Rev LXY4

  Read Write  Cache Drive
  9208  9402  19801 C:10MB



・・・・はっきり言って、こんなに結果がバラつくとは思いませんでした(^^;

一応、テストするときには他のアプリを立ち上げずに(当たり前)、起動後一発目にベンチマークを立ち上げて計測したんですがね・・・

しかし大凡では、ULTRA-SCSIの方が若干ですが高速な結果を示しています。

もっとも、これらの結果は大体予想が付いていました。

いわゆるSCSI-2の10MB/secのバンドに対して、Atlas-IIの性能が低いのです。
恐らくまっさらな状態でテストしても、10MB/sec以上は出ないでしょう(確か8〜9MB/sec)。

ULTRA-SCSIアダプタにした効果が出るとすれば、SCSI-HDDを二台接続した時とか、10MB/sec以上の速度を出せる高速HDD(Cheetahとかね(^^;)を搭載した時になると思います。

某雑誌でも書いていましたが、やはりHDD速度はインターフェース(アダプタ−)ではなくHDD性能に依存するようです(紙面ではIDEとSCSIの比較だったが)。

で、結論としましては今SCSI-2アダプターと5400rpm前後クラスのSCSI-HDDを使用している人は、ムリしてSCSI-3アダプターに買い換える必要は無いと言う事ですね(^^;

速度にこだわる人とかは別ですが(笑)



  <追加その1>

しばらくDC-390Uを使用していますが、CPU占有率を測るベンチマークが無いのでハッキリとは解らないものの(システムモニターは信憑性が低い)、どうやらDC-390よりCPU占有率が低いようです。

それを感じたのは次のようなケースからです。

DC-390を使用した環境でWINAMPを使用しながらネスケを数枚開き、グラフィックを多用したページをスクロールさせた時、 音の途切れが生じたページが有りました。

その同じページに、今度はDC-390Uを使用してアクセスしてみました。

すると今度は全くWINAMPの再生音が途切れないのです。
何度激しくスクロールさせても、音切れは生じませんでした。

もしかして拡張カード類を組み直したとき、挿したPCIの位置を変更したため、IRQのシェアリングが解消したのか!?

と思い、プロパティを確認したのですが・・・

なんとIRQ9に、DC-390UとPW-3DVとMEG-VC1の、三つものデバイスがシェアリングしていました・・・(T_T

DC-390UとPW-3DVは以前からシェアリングしていたから不安は無いものの、MEG-VC1までシェアリングするとまずいのでは!?
Melcoが言うには、独立したIRQを割り当て無ければ不味いらしいし(音声不同期もこれが原因か?)。
しかし空きIRQは無いのよね(笑)

ちなみにDC390/Uのドライバーは何れも、TEKRAMが最初から添付しているドライバーを使用しています。

ホントにCPU占有率が低いなら言うことは無いのですが、なんか不安ですね(^^;


  <追加その2>

上で色々書きましたが、どうやら状況は刻一刻と変化するようです(笑)。

まずベンチマーク結果ですが最近新たに計り直した所、殆どの項目に置いてULTRA-SCSIの方が良い結果になりました(修正済み)。
HDBENCHのスコアも大幅UPしました。

恐らくこれが本当のAtlas-IIの実力でしょう(それでも10000は越えない・・・)。

また、上の方でCPU占有率が下がるとか書きましたが、これに関してはベンチマーク結果が上がるのとほぼ同時に、CPU占有率も上昇しました(涙)。
頻繁なディスクアクセスが行われるとやはりHDDにCPUパワーの殆どを奪われ、他のアプリの動きが非常に重くなります(若干はATAPIよりマシかもしれないが)。

私としては高速なディスクアクセスよりも、CPU占有率の軽減を狙ってSCSIにしたわけですから、これは残念な結果です。
高速なディスクアクセスだけを狙うなら、ATAPI-HDDの方が高速なのは目に見えていますからね。

どこかに低CPU占有率のHDDは無いかな・・・