IDE vs SCSI & 64MB OVERレポート
|
今回はIDEとSCSI-HDDのレポートと、64MBまでしかキャッシュが効かないM/Bで64MB以上搭載した場合のレポートです。 テストにあたってはHDDにスピードディスク（デフラグ）を掛けました。 しかしCドライブなどはアプリがパンパンにつまっているため、HDD初期状態より約20%近くベンチ結果が下がっていることも付け加えます。 テストも、普段使用している状態で行いました（高速な設定にはしていない）。 TEKRAM DC-390UULTRA-SCSI(SCSI-3) CHIP:SYMBIOS-53C835 転送速度: 非同期:5MB/sec 同期:20MB/sec TEST対象HDD Quantum XP34550S - Atlas II Ultra SCSI:4.5 GB RPM:7,200 Quantum Fireball ST 2110AT Ultra DMA:2.1 GB RPM:5,400 Benchmark Result
Wintune97以外のベンチでは、Atlas-IIが全て良い結果を出しています。 もっともHDD自体のスペックも違うので比較にはなりませんが、注目すべき点はCPU占有率です。 IDE-HDDの46%に対し、SCSI-HDDは僅か15%です。 改めて数値で見ると、SCSI-HDDのCPU占有率の低さが解ります。 システムモニターでは、どちらのHDDもアクセス中は常にメーターを振り切って負荷100%を示します。 体感ではどうでしょうか？ まだHDDに出来損ないバスマスタードライバの残骸が残っているお陰でしょうか、起動時間は何れも差が有りません。 アプリの起動も体感では殆ど差は解りません。 CPU占有率に関する体感も、Winbench98の結果に反しIDEもSCSIもHDDアクセスにCPUパワーをかなり取られているような気がします。 これに関しては“当てにならない”システムモニターも、体感を良く表していると言えます（笑） SCSI-HDDの真価は、HDDを何台も接続しているサーバーなどの用途で現れるそうです。 一台のHDDにだけガリガリとアクセスを繰り返す個人用途では、高価なSCSI-HDDもIDEとそれ程変わらない性能しか発揮できないようです。 結論としては、最新の10000KB/secを越えるUltra-DMA対応HDDにWin95 OSR2以降のMSバスマスタードライバーの組み合わせが、一番コストパフォーマンス的にも優れていると言えるのではないでしょうか。 お次は64MBまでしかキャッシュが効かないM/Bで、メモリーを64MB以上搭載した場合の性能差レポートです。 使用M/Bは、TEKRAM P5T30-B4 (430TX PBSRAM512KB)です。 これはご存じの通り、64MBまでしかキャッシングする能力のない430TXを使用しています。 これに16MBx4の64MBと、16MBx2+32MBx2の96MBの2パターンでの計測を行ってみました。 Benchmark Result
|
これは予想外でした。
Photoshop BENCHでの結果は当然としても、他のベンチでも96MBの方が良い結果が出ています。
もっともCPU周りのベンチマークは64MBを越える領域を使用することなど無いでしょうから、これは誤差とも取れます。
しかしPhotoshop BENCHでの40秒の差は大きいです。
はっきり言って、L2-CHACEレスによる処理時間ロスなどは、スワップの為のHDDへのアクセス時間待ちに比べれば些細なものです。
最近の肥大化したアプリを幾つも立ち上げる環境の人、例えばPhotoshopや複数のWebブラウザーや翻訳ソフトやエディターを同時に立ち上げて使う人などは、64MBの壁を気にせずにメモリーを増設することをお勧めします（それはワタシ・・・）。
しかし一番ベストなのは、64MB以上の領域をカバー出来るTAG-RAMを搭載したM/Bを使用することなんですがね(^^;
−追加−
TAGRAMをゲット出来たのでM/BをGA586HXに載せ換え、RAMを128MB搭載してみました。
GA586HXにする事で周波数が206MHzから200MHzに下がりますが、結果は次のようになりました。
| Final Reality |
64MB(P55C-206MHz P5T30-B4) Radial blur, 5N, 15.36, rips, 2.124, Rmark Chaos zoomer, 5N, 29.24, rips, 1.421, Rmark 25 Pixel, 5N, 69.21, kpps, 2.212, Rmark Robots, 5N, 20.55, rips, 5.324, Rmark Fillrate, 5N, 18.10, MPps, 3.918, Rmark City scene, 5N, 28.47, rips, 7.064, Rmark Video card bus transfer, 5N, 55.47, MBps, 1.766, Rmark Direct3D bus transfer, 5N, 9.85, MBps, 0.842, Rmark ----------------------------------------------------------------------------- Visual appearance, 96.30, percent ----------------------------------------------------------------------------- Overall 3D, 2.557, Rmark Overall 2D, 1.772, Rmark Overall bus rate, 1.489, Rmark ----------------------------------------------------------------------------- OVERALL SCORE, 2.161, Rmark ----------------------------------------------------------------------------- 3776018383 |
128MB(P55C-200MHz GA586HX) Radial blur, 5N, 16.57, rips, 2.292, Rmark Chaos zoomer, 5N, 31.46, rips, 1.529, Rmark 25 Pixel, 5N, 68.30, kpps, 2.183, Rmark Robots, 5N, 20.46, rips, 5.301, Rmark Fillrate, 5N, 22.98, MPps, 4.974, Rmark City scene, 5N, 28.46, rips, 7.062, Rmark Video card bus transfer, 5N, 55.34, MBps, 1.762, Rmark Direct3D bus transfer, 5N, 9.72, MBps, 0.831, Rmark ----------------------------------------------------------------------------- Visual appearance, 100.00, percent ----------------------------------------------------------------------------- Overall 3D, 2.652, Rmark Overall 2D, 1.911, Rmark Overall bus rate, 1.483, Rmark ----------------------------------------------------------------------------- OVERALL SCORE, 2.254, Rmark ----------------------------------------------------------------------------- 3669626207 |
| Photoshop BENCH |
| テスト方法: Photoshopで6000x4500_28MB､メモリー使用量77.3MBのpngファイルのオープンに掛かった時間を計測 |
64MB (P55C-206MHz P5T30-B4) ３分０５秒 |
96MB (P55C-206MHz P5T30-B4) ２分２５秒 |
128MB (P55C-200MHz GA586HX) ２分００秒 |
前項の結果でも、キャッシュが効かない事による速度差よりもHDDへのスワップ時間の方がばかにならないことは解りましたが、 キャッシュが効かないよりもキャッシュが効いた方が、更に25秒も画像表示までの時間を短縮できることが解ります。
トータルでは64MBの時より、約2/3の時間短縮になっています。
さらに、ベースクロックが68MHzから66MHzに、動作クロックが206MHzから200MHzに下がったのにFinal Realityの結果が 良くなったのも驚くべき事です。
ベースクロックが下がったことによりbus rateは下がりましたが、他は2D,3Dとも良い結果が出ています。
特に2D(PW-3DV)での伸びが目立ちます。
もっともこれがメモリー増設の効果なのか、430HXのお陰なのかは解りませんが(^^;
今回P5T30-B4からGA586HXに戻したことによりCPUパワー的には若干劣りますが、SIMMを6本挿すことも出来ますし何よりIRQが2つも空いたのが嬉しいポイントです（笑）
586HXはDMA/33に対応していませんが、今はSCSI-HDDを使用しているのでこの点も問題無しです。
−追加２−
今回はメモリー容量差による実アプリケーション計測を更に行ってみました。
メモリー32MB
ネットスケープ起動まで28秒。
V.ONでキャラ選択からゲーム開始まで35秒
メモリー64MB
ネットスケープ起動まで15秒。
V.ONでキャラ選択からゲーム開始まで20秒
メモリー128MB
ネットスケープ起動まで14秒。
V.ONでキャラ選択からゲーム開始まで18秒
ネットスケープの場合、メモリー32MBと128MBでは起動までに倍近い時間が掛かっていることが解ります。
V.ONの場合も同じく、ゲームがスタートするまでに倍近い時間が掛かっています。
また起動時間だけでなく、アプリが立ち上がってからも32MBの場合は頻繁にスワップが起こるので、128MBでの使用状態を考えればこれはとても快適とは言えません。
この激しいスワップは64MBを境に治まる傾向にあるので、単一アプリでの使用といえども64MB程度のメインメモリーは搭載することをお勧めします。
さらに詳しいゲームプレイ時の差についてはここを参照してください。
VIRTUAL ON
