いくぽんのPC雑記 Vol.46  UpDate 981117


   Canopus PURE3D II LX レビュー






 今回Canopus PURE3D II LXをゲットしましたので、簡単にレビューします。



 今回入手したPURE3D II LXは、PURE3D IIからTV出力端子を省いた廉価版Voodoo2カードで、バルクではなく簡易パッケージ版のものです。

 このパッケージには他にQuake2ミッションパックのフルバージョンや、多数のDEMOを収録したCDが含まれています。

 さてこのカードの特徴ですが、多くのメーカーが3Dfx社のリファレンスボードをそのまま使用しているにも関わらずCanopus独自にボードを設計し、よりコンパクトに配線も極力短距離になるように設計されています。
そのお陰で、より高クロックに耐えられるそうです。
さらにボード上には専用のファンを取り付ける穴と、ファンに電源を供給するためのコネクターが設けられています。
メモリーはOKIの28ns EDO-RAMを12MB搭載しています。

 このLXはTV出力コネクターが省かれていますが、コネクターの間隔がぎりぎりになるのを避けるためでしょうか、パススルーケーブルにDINコネクターが採用されています。
しかしこれが今一根本までしっかり刺さらず特にネジ等で固定されても居ないことから、これは他のVoodooボードと比較して若干の不安を感じるポイントです。

 パススルーされた2Dの画質ですが、それまで使用していたMonster3Dと比べて特に良くなった感じはしませんでした。これは期待していたのに残念です。
もっとも常用している解像度の1152*864では、Voodooを介しても介さなくても特に画質の変化は有りませんでしたので、これが問題点となることは有りません。

 付属のユーティリティーですが、他のVoodoo2ボードをインストールしてないので比較は出来ませんが、90から100MHzまでのメモリークロックの可変やV-SYNCの同期非同期、トライリニアフィルタリングやミップマップディザ、トリプルカラーバッファーの設定が出来るようになっています。

 またこれは恐らく他のカードには無い点だと思いますが、アプリケーションランチャーが付属しておりゲーム毎に最適な像度・色数・周波数・ガンマ補正・明るさの調整などを記憶させておくことが可能になっています。
さらにここで設定しなくても、ディスプレイプロパティを開くことなくガンマ補正や明るさの調整、表示位置調整などをゲーム中随時ホットキーで可変する事ができるユーティリティも付属しています。



 さて肝心のVoodooからVoodoo2に変更した事による、各種ベンチマークや体感速度の変化をレポートしたいと思います。
体感速度は基本的に、P55C-206+VoodooとP2-309+Voodoo2の比較です。



スピードインプレッション



HDBENCH P55C-206 浮 整 11856 12903 P2-309 浮 整 25057 19881 P55C-206とP2-309では、浮動小数点演算速度に2倍近い差が有ります。 この差が素直にゲームでも反映されるでしょうか。 X-DEMO Monster3D P55C-206 57.907fps Monster3D P2-309 89.234fps Pure3D II P2-309 107.056fps 大体、順当にスコアが伸びています。 体感では変化無し。 Turok DEMO(ベンチマークモード) Monster3D P55C-206 52.2fps Monster3D P2-309 100.2fps Pure3D II P2-309 92.3fps これはCPUの速度をまんま反映しています。 Voodoo2がVoodooに負けたのは以外です・・・ Voodooでこのスピードは凄いですね。 ちなみにPure3DIIは早送りモードになります。 体感では変化無し。 ViperRacing DEMO Monster3D P55C-206 30.0fps Monster3D P2-309 30.8fps Pure3D II P2-309 50.7fps このソフトではVoodooに限界が来ていることが解ります。 CPU速度差を殆ど反映しなかったのには驚きました。 体感では変化無し。 MotoRacer2 DEMO(スタート直後) Monster3D P55C-206 約8fps Monster3D P2-309 約22fps Pure3D II P2-309  約31fps このソフトの場合、体感速度向上はCPUパワーの影響が大きいです。 Voodoo2も若干は貢献しているようです。 P55C-206+VoodooとP2-309+Voodoo2では、体感で二倍ほど差を感じます。 Colin McRae Rally Monster3D P55C-206 Monster3D P2-309 Pure3D II P2-309 全体での体感速度の変化は無し。 もっともインドネシア等、木が多いところでのガクガク感は緩和されました。 F-16 Multirole Fighter DEMO (Glide) Monster3D P55C-206 Monster3D P2-309 Pure3D II P2-309 体感速度での変化は無し。 もっともVoodoo2の場合、1024*768で滑らかに飛行できる。 Falcon 4.0 DEMO (Glide) Monster3D P55C-206 Monster3D P2-309 Pure3D II P2-309 異様に重いソフトのため、P55C-206+Voodooの場合フルディテールでは秒間数コマ状態。 この状態ではまともに飛行する事が出来ない。 しかしP2-309+Voodoo2の場合、フルディテールでもおおよそ20fpsは出ている感じ。 普通に飛行出来る。 PC Player D3D Bench Monster3D P55C-206 36.4fps Monster3D P2-309 52.9fps Pure3D II P2-309 75.3fps スコアは順当に伸びています。 体感では変化無し。 Final Reality Monster3D P55C-200 25 Pixel, 5N, 65.54, kpps, 2.095, Rmark Robots, 5N, 20.66, rips, 5.352, Rmark Fillrate, 5N, 23.03, MPps, 4.985, Rmark City scene, 5N, 28.50, rips, 7.072, Rmark Video card bus transfer, 5N, 66.73, MBps, 2.124, Rmark Direct3D bus transfer, 5N, 44.54, MBps, 3.807, Rmark ----------------------------------------------- Overall 3D, 2.653, Rmark Overall bus rate, 2.629, Rmark ----------------------------------------------- OVERALL SCORE, 2.425, Rmark Monster3D P2-309 25 Pixel, 5N, 206.77, kpps, 6.608, Rmark Robots, 5N, 38.15, rips, 9.883, Rmark Fillrate, 5N, 18.89, MPps, 4.089, Rmark City scene, 5N, 51.60, rips, 12.805, Rmark Video card bus transfer, 5N, 118.33, MBps, 3.767, Rmark Direct3D bus transfer, 5N, 38.51, MBps, 3.292, Rmark ----------------------------------------------- Overall 3D, 3.506, Rmark Overall bus rate, 3.625, Rmark ----------------------------------------------- OVERALL SCORE, 3.633, Rmark Pure3D II P2-309 25 Pixel, 5N, 323.88, kpps, 10.351, Rmark Robots, 5N, 42.80, rips, 11.087, Rmark Fillrate, 5N, 54.12, MPps, 11.715, Rmark City scene, 5N, 58.29, rips, 14.463, Rmark Video card bus transfer, 5N, 120.64, MBps, 3.841, Rmark Direct3D bus transfer, 5N, 103.20, MBps, 8.820, Rmark ----------------------------------------------- Overall 3D, 4.020, Rmark Overall bus rate, 5.335, Rmark ----------------------------------------------- OVERALL SCORE, 4.171, Rmark 3Dカードの速度差よりも、CPUやバス速度の影響が大きいようです。 体感ではVoodoo、Voodoo2では差がありません。 しかしP55C-206とP2-309で、25 Pixelのみ大きな体感速度の向上を感じました。 3D Mark 99 Monster3D P2-309 3DMark Result : 1,231 3DMarks CPU Geometry Speed : 4,686 3DCPUMarks Rasterizer Score : 330 3DRasterMarks Game 1 - Race: 19.9 FPS Game 2 - First Person: 21.2 FPS Fill Rate : 38.0 MTexels/s Fill Rate With Multi-Texturing : 38.2 MTexels/s 2MB Texture Rendering Speed: 97.0 FPS 4MB Texture Rendering Speed: 8.5 FPS 8MB Texture Rendering Speed: 4.4 FPS 16MB Texture Rendering Speed: 2.3 FPS Pure3D II P2-309 3DMark Result : 2,400 3DMarks CPU Geometry Speed : 4,684 3DCPUMarks Rasterizer Score : 1,170 3DRasterMarks Game 1 - Race: 41.2 FPS Game 2 - First Person: 38.8 FPS Fill Rate : 77.2 MTexels/s Fill Rate With Multi-Texturing : 78.2 MTexels/s 2MB Texture Rendering Speed: 310.6 FPS 4MB Texture Rendering Speed: 308.0 FPS 8MB Texture Rendering Speed: 269.9 FPS 16MB Texture Rendering Speed: 4.6 FPS このベンチマークは、珍しく体感とスコアが一致するソフトです。 Voodoo2の優位性を体感する事が出来ます。 このソフトのリリース時期が理由でCPUの差は計れませんでしたが、 ゲームベンチではVoodoo2の方が滑らかな描画を行えるのが目に見えて解ります。



 以上の結果を見る限り、ソフトによってCPUパワーに依存するか3Dパワーに依存するか傾向が異なるようです。

 しかし速くなると言っても、体感では表示速度が30fpsを越えた時点でもはや差が解りづらくなります。
3D速度の向上の意義を見いだすとすれば、どちらかといえばフレームレートの下限が上昇することに有ると思います。

 P55C-200+Voodoo程度の3Dパワーでも大抵のゲームは平均で30fpsを保てるため快適にプレイ出来ますが、負荷が一時的に掛かる場面でガクガクッとフレームレートが落ちるのを感じるときが有ります。

 P2-300+Voodoo2クラスの3Dパワーが有れば、特に見た目での速度向上を感じなくても常に30fps以上の高フレームレートを保てるので、上記のような状態を味わうことは少なくなります。

 しかしながら、異様に重いと評判のFalcon4.0のDEMOが、P2-309+Voodoo2で比較的滑らかに動作したのには驚きました。
Voodoo2が、Direct3DよりGlideで著しくスピードアップしたとの話も納得できます。

 上記の事を考慮に入れた上でパワーアップをはかるとすれば、大体の傾向としてはVoodooカードを既に所持している場合まずCPUパワーの強化を優先したほうが良いように感じます。

 その後も懐に余裕が有ればVoodoo2等、さらに高速な3Dカードを導入する方が賢明でしょう。

 もっとも最近は高速で有りながら安価な3Dfx Bansheeの登場や、安価なノーブランドVoodoo2カードも出回っていますので、手始めに3Dカードを強化するのも良いかもしれません。

 何はともあれ、CPUと3Dカードは速いに超したことは無いのです。