いくぽんのPC雑記 Vol.53
UpDate 990702
Creative
TNT2Ultra & Savage4レビュー
テスト環境:
CPU Celeron-450@300A
MEMORY 128MB CL2
M/B Abit BH6
まずは製品概要を (以下Creativeサイトより抜粋)。

3D Blaster Savage4 32MB AGP
アーキテクチャハイライト
125Million pixles/secピークフィルレートの128bit S3
Savage4 PRO 2D/3Dビデオアクセラレータ
32bitトゥルーカラー3Dアクセラレーションとデュアル3Dテクスチャリングアーキテクチャ
ハードウェア フルトライアングルセットアップエンジン
32MB SDRAM、300MHz RAMDAC
PCI2.1及びAGP1.0コンパチブル
標準VGA / SuperVGAコネクタ
S3TC
S3社特許のテクスチャ圧縮技術(S3TC : S3 Texture Compression)により目を見張るようなイメージクオリティを実
現します。ゲームデベロッパは、驚くべきディテールで迫りくるかつてない3Dワールドを表現するための、よりリッチで繊細なテクスチャを製作するために、S3TC?を利用することができます。
このことは3Dゲームの世界で、近い将来に実現するとてもすばらしい革新のひとつです。
DVDモーションコンペンセーションエンジン
(動き補償)
3D Blaster Savage4のDVDのモーションコンペンセーションエンジン(動き補償)、カラースペース変換などのDVDハードウェアサポート機能の搭載により、最新のDVDタイトルをスムーズに、よりイメージをクリアーに、そして通常のグラフィックスアクセラレータより真に迫った映像をもたらします。
・ 128bit S3 Savage4 PRO 125 MHzグラフィックスアクセラレータ
・ 32 MB SDRAM at 125 MHz
・ AGP 2x サポート
・ 300 MHz RAMDAC
3D機能
・ ハードウェアによるトライアングルセットアップエンジン
・ クロック毎のピクセル処理において2つのテクスチャを処理できるデュアルテクスチャーパイプライン
・ バンプマップ、エンバイロメンタルマップ、ライトマップ、そしてリフレクションマップといったスリル溢れるビジュアルエフェクトを可能にするシングルパスのマルチテクスチャー
・ 毎秒1億250万ピクセルトライリニアフィルター
・ DirectX 6コンパチブル
・ ミップマッピング対応のポイント、バイリニア、トライリニア、アニソトロピックフィルタリング
・ 16bitまたは24bitの Z-バッファ
・ DirectX 6 テクスチャコンプレッション
・ フルシーンのアンチエイリアス処理
2D 機能
・ VGAコア100%コンパチブル
・ VBE 2.0コンパチブル
・ Windows GDI機能をアクセラレートする128-bit GUI エンジン
・ ピクセルあたり8bit、16bit、及び32 bitモードをアクセラレートするパイプライン
ビデオ機能
・ マルチビデオウィンドウに対応
・ ハードウェアカラースペース変換(YUV 4:2:2及び4:2:0)
・ ソフトウェアDVDデコーディングをアクセラレートするためのモーションコンペンセーション (動き補償)
・ ビデオサイズ変更の際にイメージの質を保持するマルチタップバイリニアフィルター
・ bob-and-weaveによるデインターレース
・ 外付DVD、ビデオキャプチャー、またはTVチューナーカード用VIPビデオポート
カード仕様
・ PCI2.1、AGP1.0 2x(サイドバンドアドレッシング対応)
・ VGA出力
・ VIPビデオポート
・ PC99 rev. 1. 0コンパチブル
・ VESA DDC2B コンパチブル
ソフトウェア
・ Windows 95、98、NT 4.0ディスプレイドライバ
・ OpenGL、DirectDraw、及びDirect3Dドライバ
・ VBE 2.0準拠能
使用した感想:
2Dグラフィックス
発色は並み、RageProと比べて良くも悪くもない。
プロパティにはあまり設定は無いが、メモリークロックとコアクロックがスライダーで可変出来るのが良い。
Vsyncのカットが出来ないのが痛い。
このカードはクロックアップも有効で、かなりのスピードアップを期待できる。
標準状態ではヒートシンクのみなので、クロックアップするならファンなどを取り付けるのも良いかもしれない。
1280*1024でもまずまずフォーカスは良いが、S3の伝統かViRGEと同じように文字が細めで、黒バックに白い文字のサイトなどは文字が見づらい。
常用レベルは1152*864か。
3Dグラフィックス
スピードは全ての面に置いて体感できるほどVoodoo2より速いし、32bitカラーにも対応している。
3Dでの発色は白めのVoodoo系に対し、結構色が濃い感じ。しかしCRT側の輝度を上げるとVoodoo系に近くなる。
3DクォリティはVoodoo2より優れている。
DVD
WinDVDを使用したDVD再生能力に関してはRageProより優れており、再生品質、速度共に申し分無し。
S3製チップの優れたオーバーレイ能力は健在だ。
CPU負荷も低い。
ATI製チップに並んで、S3のチップは動画に強いようだ。

3D Blaster RIVA TNT2 Ultra 32MB AGP
アーキテクチャハイライト
・128-bit のワイドグラフィックエンジン、及びフレームバッファ
・ 32MB SDRAM
・ 毎秒3億ピクセルのバイリニアフィルター
・ 毎秒最大900万トライアングル
・ 毎秒2.9 GBスループット
3D 機能
・ Microsoft Direct3D APIに最適化
・ DirectX 6.Xの完全サポート
・ 100%ハードウェアトライアングルセットアップ
・ ツインテクセル(TNT) 32-bit グラフィックパイプライン
・ クロック毎に二つのピクセルをテクスチャー処理
・ シングルパス、マルチテクスチャーサポート
(DirectX 6.X 及び OpenGL ICD)
・ スクエア及びスクエア以外のテクスチャーサポート
・ テクスチャブレンドサポートの例:
・ マルチテクスチャー
・ バンプマップ
・ テクスチャーモデュレーション
・ ライトマップ
・ リフレクションマップ
・ ディテールテクスチャー
・ エンバイロメンタルマップ
・ プロセデュアルテクスチャー
・ サブピクセル精度
・ バックエンドブレンド
・ ディスティネーションアルファによる32-bit ARGBレンダリング
・ ポイントサンプル、バイリニア、トライリニア及び8-tap
・ アイソトロピックフィルタリング
・ ピクセル単位の正確なテクスチャーマッピング
・ フォグ
・ ライト
・ ミップマッピング
・ ハードウェアによる24-bit、又は16 bitのZバッファ (固定又は浮動)
・ 8-bit ステンシルバッファー
・ フルスクリーンのアンチエイリアス処理
2D 機能
・ 高性能128-bit 2D/GUI/DirectDraw アクセラレーション
・ BLT, インデックスDIBカラー変換, 透明BLT, ストレッチBLT, ポイント, ライン, ポリライン, ポリゴン, フィル, パターン, 任意の長方形クリッピング、そして高速なテキストレンダリング(ハードウェアフォントキャッシュを含む)のアクセラレーション
・ ピクセルあたり32, 24, 16, 15そして8ビットのカラーパレットを含む、複数のカラーパレットに最適化されたパイプライン
・ 高速な32ビットVGA/SVGAサポート
・ スムーズなアニメーションやビデオ再生を実現するマルチバッファリング(2倍、3倍、4倍のバッファリング)
ビデオサポート
・ DirectShow, MPEG1, MPEG-2 及びIndeoのビデオアクセラレーション
・ フィルタリング処理による、スムーズなX及びYのスケールアップ、及びダウン
・ ピクセル毎のカラーキー設定
・ ハードウェアによるカラースペース変換及びフィルタリング処理によるマルチビデオウィンドウ
(YUV 4:2:2、及び 4:2:0)
・ ITU- CCIR 565対応のビデオポート
テレビ出力
・ テレビ、又はモニターを選択可能な出力
・ S-Videoコネクター、及びコンポジットビデオ変換ケーブル
・ NTSC及びPALサポート
・ マルチラインのフリッカーフィルタリング
・ Macrovision 7.1互換
仕様
・ AGP 2X(サイドバンドアドレッシング完全対応)
・ VESA DDC 2B + DPMS
・ シングルスロットの2D, 3Dグラフィックス, 及びビデオアクセラレーター
・ NVIDIA RIVA TNT2 Ultraグラフィックスエンジン
・ トゥルーカラーで最大2048X1538 の解像度をサポートする300MHz RAMDAC
・ MPEG1, MPEG2 及びフルモーションビデオ
・ Plug and Play完全準拠ドライバ
・ Windows NT 4.0ディスプレイドライバ
・ Windows 95, 及びWindows98ディスプレイドライバ
(DirectDraw, Direct3D, DirectVideo, ActiveX)
・ Windows 95、及びNT 4.0用 OpenGL ICD
・ VBE 3.0準拠
使用した感想:
2Dグラフィックス
発色は並み、RageProと比べて良くも悪くもない。
プロパティにはSAVAGE4には無い設定も有り、メモリークロックの可変やVsyncの非同期も設定できる。コアクロックの可変は出来ない。
既にチップファンが付いている状態で有ることからもチップ自体の発熱が凄く、クロックアップは難しい。
特にコアクロックのアップに弱いし、メモリークロックのアップも体感&ベンチとも効果が見受けられなかった。
1280*1024でもフォーカスは良く文字の太さもSAVAGE4より太めで、黒バックに白い文字のサイトなどでも文字の認識性に問題は無い。
1280*1024を常用にしても問題は無い感じだ。
2D表示は3D同様画面が暗めで、MPEG等を再生させると暗くて苦労する。
RageProやSavage4より数段CRT側の輝度を上げる必要が有る。
3Dグラフィックス
スピードに関しては体感ではっきり解るほどVoodoo2より速く、重いソフトを動かすとSAVAGE4より速いことも解る。
32bitカラーにももちろん対応。32bitや1024*768以上の高解像度でのスピードはSAVAGE4よりも速い。
3Dでの発色は白めのVoodoo系より濃く、SAVAGE4よりも濃く(暗く)感じるほど。
CRT側の調節程度では改善できないので、どうやらガンマ値がかなり低く設定されている様だ。
スクリーンショットを撮るとVoodoo2と変わらない明るさで有る事からも、カード(チップ)の問題だろう。
3DクォリティはSAVAGE4と同程度でVoodoo2より良好。
DVD
WinDVDを使用したDVD再生に関しては、1024x768x32bitでもオーバーレイが利かず再生不可。
16bitにすると再生は出来るが、CPU負荷が高くコマ落ちが激しい。
オーバーレイ可能な解像度&色数に制限が多く、DVD再生には不向きなカード(チップ)の様だ。
ベンチマーク結果
3DMark99:
SAVAGE4とTNT2Ultraでは予想に反し、SAVAGE4の方が若干結果が良かった。
しかしこれはフルチューンのSAVAGE4と、ノーマルのTNT2Ultraの結果である事を踏まえなければならない。
もっともクロックアップに耐えられないTNT2Ultraに対し、余裕でクロックアップを行えるSAVAGE4なので、この結果を参考にする事にした。
実際の3Dゲームに近いGame1,2両テストではSAVAGE4がTNT2Ultraを上回ったが、SEGARALLY2などのゲームではTNT2Ultraの方がSAVAGE4より速い場面も見受けられた。
これは大容量のテクスチャーレンダリングにTNT2Ultraが強いという結果からも解るように、ゲームによって得意不得意が分かれるのでは無いだろうか。
SEGA RALLY2でのレビュー
SR2は60&30fpsの描画モードを設定可能ですが、これを60fps設定で他のグラフィックスオプションも最高にした上で800*600で走行してみました。
するとPURE3D2LX(Voodoo2-12MB)では確かに滑らかな不満のない動きなのですが、60fpsでは描画しきれていないようです。
反面Creative Savage4(Savage4 PRO-32MB)はVoodoo2より更に速く、見た目で非常に滑らかな60fpsで描画されているのです。
またVoodoo2では描画中たまに僅かながらコマ落ちする事が有るのですが(コーナーリング等)、Savage4はその様なコマ落ちが見られません。
SR2では他のレースゲームよりも情報量の多いテクスチャーを使用しているようですので、豊富なメモリーを持つSavage4がSR2では有利なのでしょう。
Savage4ならアーケードの様な滑らかさでSR2をプレイできます。
さてスピード面ではSavage4が有利ですが、クォリティ面でもSavage4はVoodoo2に引けを取りません。というより静止画を様々なシーンで見比べても、殆ど見分けが付きません。
これは比較スクリーンショットを実際に観ていただいた方が良いと思います(^^;
しかし石畳のテクスチャーが美しい・・・
まあ隅をつつけばSavage4にしかない不具合が少々有ったり、フォグの掛かり方に違いが有ったりするのですが、不具合はいずれFIXされるでしょう。
さらにTNT2Ultraを使用してSR2をプレイしてみました。
見た目の違いはSavage4やVoodoo2と殆ど変わりが有りません。
テクスチャーの表示品質もVoodoo2/Savage4と同質です。
違いが有るとしたら、Savage4より更にグラフィックスが濃いめという点でしょうか。
スピードに関してはSavage4よりも更に速いです。
違いはDESERT SS2のリプレイで、木々が重なるように描画されるシーンで解ります。
ここでの描画の早さはVoodoo2<Savage4<TNT2Uといった感じです。
通常はSavage4でも速いのですが、テクスチャーの重ね合わせ処理(スプライト)でTNT2Uの強さが解ります。


スクリーンショットは一番目がVoodoo2で二番目がSavage4、三番目がTNT2Uです。
スクリーンショットは一番目がVoodoo2で二番目がTNT2Uです。
総評
TNT2UとSavage4では実売でも2倍近くの価格差が有るため、単純には比較できません。
しかし値段相応の働きと言えるTNT2Uに対し、安価なSavage4は値段以上の健闘をしていると感じました。
予算が有り、とにかくゲームで最速を求める、また高解像度でのシャープな2D画質を求めるならTNT2Uでしょう。
逆に予算は少な目に、しかしゲームでの速度もそれなりに速く、しかも滑らかなDVD再生を望むならSavage4が良い選択と言えます。
私の場合、DVDさえPCで見ないならTNT2Uを選択するのですが、TNT2UのあまりのDVD再生能力の低さと、逆にSavage4の再生能力の高さを見てしまうと、カード選びに迷うところです。
いっそVoodoo3かG400にする?(爆)。