Genki − 首都高バトルゼロ − PSやDCでもリリースされていて結構有名なソフトなので説明する必要も無いのかもしれないが、このゲームは首都高を舞台とした市販車同士のバトルを楽しむソフトである。 私自身はこのゼロが初なので特徴を改めて挙げると、首都高180kmもの区間を完全再現しているというのが売りで、レイアウトだけでなく走行中に見える景色(ランドマーク)もかなり再現しているらしく、実際に夜間走行をしている人達からは、確かに夜の首都高を上手く再現していると評判のようだ。 また勝敗もただ単にスタートゴールと言ったものではなく、バトルの相手とSP(精神力)を削り合うシステムなのも面白い。 まずこのゲーム、始めるなりいきなり車を購入させられる事になる(笑)。 しかも車種が全て型番で表されているため(例:EvoIII→CE9A)車に詳しく無い人は一体どの車を買ったら良いのか迷う事だろう。 とりあえずグラフィック的には良く実車を再現しているため、自分が乗っている車もしくは憧れている車を選んでみるのも良いかもしれないが、選べる車種はクラス別にABCと有り、Aクラスは総じてポテンシャルが高いものの価格が高く、初期所持金では数車種がやっと買えると言った感じである。 そのために車体はややランクを落として(シルビアとか)購入し、後はチューニングパーツに予算を回すという事もできるのである。 最初に選べる車種は予算の関係も有るが少なく、今後ライバル達に勝つことによりライバルが乗る車種を購入できるようになる。 最終的には国内外合わせて130グレードもの車を選択できるのは、車好きにはたまらないポイントとなるだろう。 プレイできるゲームモードはクエスト、クイック、タイムアタック、フリーラン、VS、iモードと充実しており、リッジレーサーVで不満だった“ちょこっとだけ走りたい”という欲求にも応じることの出来るシステムになっている。 メインとなるのはクエストモードで、ここで首都高を走り回りライバル達にバトルを挑むこととなる。 このライバル達だが、首都高180kmもの区間に45程のチームが存在し、しかもそれぞれに6〜10人のメンバーが所属してプレーヤーを迎え撃つのだから壮絶なものが有る(笑)。 首都高を走っていて遭遇するこれらのメンバーの乗る車に対してパッシング(笑)してバトルを仕掛けるのだが(ハザードで応じてくれるしキャンセルされる事も有る)、平のチームメンバーにはそこそこ慣れてくると簡単に勝ててくるものの、メンバーを倒すと登場するチームリーダーは流石にレベルが高くプレーヤーを苦しめる。 さらにチームリーダーを有る程度倒すと現れる十三鬼将はRPGでいう大ボスに相当し(リーダーが中ボス)、マシンも半端では無いパワーを誇り、こちらがノーマルの状態ではまず勝てる見込みのない程の強敵である。 その為に雑魚を倒しながら資金を稼ぎめいいっぱい車をチューンするか、もしくはさらに資金を貯めて現在使用している車よりさらにワンランク上の車種を購入するかなどしなければならなくなる。 他にも自分に合った車種やチューニングを探したり、最初にプレイできる環状線を遙かに上回る路線をさらなる強敵を捜して彷徨ったり、レースゲームで有りながらRPGの様な味わいも持っている。 コース上にもオービスが設置されていて引っかかると罰金が科せられたり、首都高を走行している一般車にも突然車線変更をしてくるトラックや、よっぱらい運転にしか見えない蛇行運転しまくりの迷惑タクシーなど、プレイしていて飽きることはなさそうだ。 グラフィックもリッジレーサーV並かそれ以上にも感じる綺麗さで、夜の首都高を魅せてくれる。 道路のジョイントではパッドが振動したり、車の挙動自体も難しすぎずしかしインチキ臭すぎずちょうど良いバランスになっていると思う。 OPのムービーはPS2では珍しく?フルCGムービーとなっており、二台の車が首都高を高速でバトルするシーンはかなり格好いい。 PS2ではまだ満足できる車ものが無いと良く言われるが、GT3が出る前にこういう出来の良いゲームが出たのは嬉しいことだ。 〜2nd〜 やっとQUESTモードで第四章をクリアする事ができた。 四章の序盤までは最初に購入したCE9A(ランエボ3)をチューンし続けて何とか行けていたのだが、コースが片側四車線しかも超ストレートの湾岸線になるとブロック攻勢も難しく、もはやCE9Aではまったく太刀打ちできなくなってしまった。 この辺りで貯まった資金を一気に使ってNA2(NSX)かR34(スカイラインGTR)辺りを購入フルチューンできれば良かったのだが、途中でいらない車を何台か買ってはちょっとチューンして売ってという無駄な事をしていたために予算がない!(爆)。 結局ストレートで勝てないライバルは環状線に引きずり込んで辛くも倒すという姑息な?手段を使いながらやっと予算を貯め、何とか三章辺りで買って置いたR34RVMにType6のエンジンを搭載する事ができた。 本当はもうちょっと予算を貯めてType7までは行きたかったのだが、このType7エンジンは非常に高価な上にもはやCE9Aでは勝てないライバルばかりになってしまったため妥協する事にした。 しかしエンジンはType6止まりだったものの他のパーツ(タイヤやミッション、エアロ)は全て最上級のものを装備したお陰で、フルブースト時890ps(Type7だと1050psを越える)、最高速度400km/hを越すマシンになり、ラスボスの迅帝も倒す事ができた。 実は勝手な勘違いで、この最強のライバルとは環状線で戦わないと勝てないという思いこみが有り、何度もチャレンジしては簡単にぶっちぎられるという状態だった。 とにかくこいつは異様な加速力を誇っており、まるでニトロでも使って居るかのようなスピードで視界から消えていくため、前に出てブロックする事すらままならないのだ・・・ しかし何気なく湾岸線で勝負したら、ただ普通に走っただけで簡単に勝ってしまった(笑)。 実は自分のマシンをトップスピード重視にセッティングしていた事を忘れていたのが、今までの敗因だったのだ(爆)。 こうやって随分時間を掛けてやっとQUESTをクリアできたのだが、振り返ってみても本当にこのゲームはプレイしていて最高のレースゲームだったと思える。 ただ単にタイムアタックを競うゲームも有るが、そういうのにはまったことは無く、かといってグランツーリスモシリーズの様なシム系にもはまらなかった。 しかしこのゲームは違った。 実在のコースを走れるという面白みも有るが、個性的なライバル達とのバトル、よりレベルの上のパーツを装備する事でマイマシンの性能が上がり今まで勝てなかったライバルに勝てるようになる喜び、更に自分の走り方やコースに応じたマシンセッティングを行うことの面白さ。 確かにグランツや他のレースゲームにも同じ様な要素は有るのだが、何か解らない微妙な味付けがこのゲームに有ったからこそ、これ程までにはまる事ができたのだと思う。 バトルに関しては一定区間や順位というのでは無く精神力を削り会うSPバトルというのが良かったのかもしれないし、チームメンバーを全て倒すとチームリーダーが挑戦してきて、さらにそのリーダーを倒すと十三鬼将の誰かが挑んでくる、さらに不定期にワンダラーと呼ばれる特別な存在のライバルに遭遇する。もしかしたらこれがこのゲームの一番面白かったポイントかもしれない。 コースもストレートメインやコーナーの多いコースなどそれぞれで戦略を立てられたし、車に関してもそれ程マニアックにも成りすぎずに、しかし浅過ぎもせず本当に良いバランスだったと思う。 さらに第四章をクリアしても、さらに遊べる要素を出してくれるとは嬉しい限りである。 グラフィックスも本当に綺麗だしシステム面にも不満はないし、飽きることなくプレイできる最高に面白いゲームとしてお勧めできる数少ないソフトである。 |