§NEWスイフト試乗 
2005/2/11

 私の乗っている旧スイフトも9万キロ突破し2度目の車検がもう直ぐ、新型スイフトがそろそろ気になり始めどんなものかと試乗してきました。

 NEWスイフトは1.3XE/XG/1.5XSとグレードが3つしか無いのが潔いですが、試乗できたのは4AT搭載では一番廉価の1.3XEでした。車両価格110万円という安さです。

 本当は試乗であれば高速やら山間部やら走ってみたいところですが、ディーラーから近所の地図を渡されまして、市街地の指定コースしか走れなかったのは残念です(営業と仲良くなれば乗り回してもOKかな?)。

 まず外観ですが、デザインがダサいと言われ続けているスズキ車からは考えられない程スタイル良いですね。 コンセプトカー程では無いにしてもサイドラインの膨らみとか良く表現されていて、同クラスの国産車の中ではかなりがんばってるんじゃないかと思います。 ノンエアロ状態でもスポーティーでカッコヨイ車ってのは貴重です。 今回デザイナーを海外で修行させて造らせたそうですが、その成果は十分出ていると思いました。

 外観を見終えて運転席に座ると、旧スイフトとはまったく異なる一クラス上の車格を思わせる内装に関心しました。旧スイフトで感じたダサさや安っぽさは微塵も無く、シンプルながら精錬された大人のデザインを感じますね。 スズキの軽が女性向けのデザイン指向だとしたら、このスイフトは大人の男のデザインという感じでしょうか。 と言っても男くさい訳じゃないので万人向けと言った方が良いかも(笑)

 最近の国産車はフロントウインドウの角度が寝ているため、下端が非常に遠くて上端が額に迫るような感覚が有りますが、この車は下端が遠く感じることも無く、しかも額からウインドウまでのスペースも十分に有り運転していて圧迫感が無くとても自然な感じがします。 奇をてらっていないというだけかもしれませんが、どのタイプの車からも安心して乗り換えできそうなのが良いですね。インパネ自体の高さを抑えて造られている為、前方視界も良好です。

 リアの視界は旧型の方が良好でした。新型はサイドウインドウが後ろに掛けて絞られているデザインのため、後方下部が若干見づらいです。 バックする際は小さな子供に気をつけましょう(爆)

 今回一新されたスイフトですが、エンジン形式はM13Aで機構自体も若干しか変わりは有りません(1.3の場合)。 私がスイフトを気に入っている理由の一つとしてエンジンの俊敏なレスポンスが挙げられるのですが(ATの場合は若干スポイルされますが)、新型を乗った感覚はまるでプジョー206に乗った時のようなちょっと鈍い加速感でした(マツダ車の様な?)。

 踏むとそれなりに加速するのですが、キビキビといった感じとはちょっと違うんですよね(自分でシフトダウンすれば良いけど)。 営業に確認すると、新型は100キロ前後の高速域での伸びを重視しているのも有るし、後数回オイル交換すると見違える程伸びが良くなりますよ、との事でしたので期待はできる感じです。 実際某雑誌のレビューではレスポンスが機敏過ぎるとの記事も有ったので、私としてはそれを期待したいですね(笑)

 もっともアクセルを踏み込むと伸びやかな加速をしますし、エンジンも滑らかに回転していますので旧型同様高回転でのフィーリングも良さそうです。

 また最近のコンパクトカーでは絶滅しているMTの設定が新型スイフトでは普通に有り(XE/XGで)、1.3のMTは1.5のATなみの走りが出来るそうなので、折角スイフトを買うならMTが良いですねー“安いし”、と営業さんも申しておりました(笑)

 今回プラットフォームが一新され、もはや旧スイフトとは別物になった新スイフトですが、確かに乗ると自分のスイフトとはまったく別の動きをするのを感じました。

 地面に吸い付く走り、なんて言うと大げさだしちょっと違うんですが(ぉぃ)、思ったとおりに車体を動かせると言った方が正しいかな? 比較的車体が軽いという事と車高も抑えられていてサスペンションもしっかり造られているからでしょう、オーバーステアにもアンダーステアにもならずにスカっとコーナーリングできる印象です。 電動パワステで若干軽めなので女性でも思ったとおりにコントロールできると思いますね。スズキの電動パワステは非常に完成されていると思いますが、ハンドリングは重いのが好きと言う人には物足りないかも。

 リアサスの弱さが旧スイフト最大の欠点だったような気がしますが、私の車でガツン!とかなりサスに負担の掛かる段差でも、新型はカツン!程度で乗り越えてくれました。間違いなく足回りは良くなってます。左右にワザと車体を振ってみても余分な動きを車体がせずにハンドルの動きに車体が付いてくるのは気持ちよい。是非峠道を走ってみたいものです。

 走行ノイズの少なさも特筆すべき点です。エンジン音は相変わらず静かで、ロードノイズも殆ど気になりません。この辺りはかなり気を使って設計したと言う事ですが、車が好きな人の場合、逆に多少の排気音やエンジン音は聞こえた方が運転している気分が味わえるため微妙ですね。

 ドライバーズシートは相変わらず良い出来ですね。硬めで若干ゆったりした造りなので長時間でも楽に運転出来そうです。その点後席は新型唯一と言って良いほど他社同クラスに少々劣るポイントかもしれません。足元のスペースはそうゆとりが有る方では有りませんし、座面も少々短めですし、リクライニングも出来ませんからね。 まあ劣ると言っても1.5クラスから見たらで、1.0〜1.3クラスと比較すると並と言っても良いかな? シート生地は改良されていてデザインもスッキリしており手入れもし易そうです。

 ラゲッジスペースは普通で特に特筆するようなギミックも有りません。二段階でリアシートをフォールディングしてフラットにする事が可能(分割可能、奥行き1m程度)。Fit未満Vitz以上と言った感じでしょうか。

 見積りも取り合えず取ってもらいました。装備を充実させた1.3XGで(XEはタコメーター無いし)オーディオレス、FF、5MTの場合コミコミで115万円少々という感じでしょうか。 もちろん私みたいな一見さんよりも常にスズキと仲良くしている人なら値引きがもっと有るかもしれませんが、新車でこの性能の車をこの値段で買えるのは国内ではスズキくらいじゃないでしょうか。素晴らしい。



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§NEWスイフト試乗その2 
2005/6/7

 現時点でスイフトは95,000キロ、5年程度走っているという事でベルト類の交換を依頼する事にしました。タイミングベルトはチェーンという事で交換の必要は無し。工賃含めて1万円程度作業時間1時間未満という話だったのに、なにやら簡単には外せそうにないという事で代車を借りて預ける事に。

 借りれた代車はなんと新型スイフト!(1.3XG-4WD)以前一度試乗していますがコース制限が有ったため今一印象が薄かったので、今回はもうちょっと変化のある郊外コースなどを走行し、より新型スイフトの感触を確める事にしました。

 ある程度走行して解ったのは、1.3のエンジンは基本的に低回転でもそこそこトルクが有るので街走りは普通にこなせるのですが、Dレンジに入れて走っていると2000回転付近でシフトアップするために、ちょっとモッサリとした走行感覚に感じてしまうのは否めません。

 そこで、4ATですが自分で積極的に低いギアで引っ張りぎみに走るようにすると、3500回転超えた辺りからググッ!と加速力が強まり楽しく走ることができます。積極的に3・2・Lレンジを使うと楽しい印象でした。 高回転でのパワーは新型、出だしの良さでは旧型の方が勝っている印象です。

 次は前回の試乗では今一解らなかった足の良さですが、今回これは凄く良く解りました。 結果から言うと最高です! 旧型だとリアが不安定になり不安を感じるようなコーナーでも、新型はより高い速度でもビッタリとコーナーのインに張り付いたまま楽にクリアする事が可能でした。これは楽しい!ついついコーナーリング進入速度が速くなってしまいます・・・

 新型スイフトはポテンザRE080というスポーツ系タイヤを履いていますから、ガッチリしたボディーと相まって、この優れたコーナーリング性能を実現しているという事になります。それでいて荒れた路面でも不快な振動がドライバーに伝わる事も無いと、安価な販売価格なのに素晴らしい事だと思います。

 もっとも逆にこのタイヤのお陰で、若干の燃費の低下と若干大きめのロードノイズという問題も有ったりします。舗装の表面を剥ぎ取っているガリガリ状態の路面を走ったりするとボディー自体の遮音性は結構高いという事が解るので、コンフォート&燃費系タイヤを履かせればかなり車の性格が変わるのではないでしょうか。ファミリー向けにはその方が良いかもしれませんね。

 また、夜間ドライブをして思ったのですが、ライトの配光パターンも均一で良いですね。旧型は手前を照らさない配光パターンなので手前はフォグでカバーという使い方をしていましたが、新型はそういう心配も有りませんでした。


 さて長所が見えてくると言うことは短所も見えてくるという事ですが、殆ど細かいところだけです。個人的にはオートエアコンが好きでは無いのにXE以外はオートエアコンになってしまうとか、ドアノブが車体より出っ張っていてドアミラーに映るのがちょっと気になるとか。旧型もそうだけど新型ではさらに収納スペースが無く、蓋付きの小型の小物入れの一つでも欲しいとか、燃費計は瞬間と区間両方計れるようにしてもらいたいとか、スピードメーターが瞬時に読み取りにくく、タコメーターも小さめでちょっと見辛いとかは有りました。

 しかしそういう細かい欠点を覆うほど、スイフトの走りは楽しいですね。旧型のワンランクどころかツーランクくらい上級の車格を感じました。


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