以前代車で乗った4ATタイプのワゴンRが好印象だったけど、副変速機付きCVTタイプの乗り味も気になるところ。
試乗というと、ディーラーによっては試乗されることに乗り気で無い所も有りますが、良くお世話になっている伊敷のアリーナはいつも好意的なので素晴らしいです(車を買ったことは一度も無いんだけど)。
今回試乗させてもらったのはワゴンRはワゴンRでもスティングレーの方。
NAなのでまあ、同じようなものです。

シルバーもなかなか“いかつい”感じでカッコいいかも。
営業さんが気を利かせてくれて、「軽のパワーが気になるでしょう?めっちゃ坂キツイコース行きますか」とナイス提案で山越えコースへ。
スティングレーのNAは860kg。54PS、6.4kgというK6Aのスペックの割には4ATはスタートダッシュの良い設定でしたが、CVTはそこまで勢いの良いスタートでは無いですが、ヘタをすればZC71Sスイフトより良い加速です。
しかし長くキツイ上り坂に差し掛かると、流石に3気筒NAらしい唸り声を上げながら登って行きます。
4ATじゃないのに途中でキックダウンの様な軽い衝撃が有るのは、副変速機の切り替えが入る為なのか…
パワー的にはNAでも十分、大人二人を載せてグイグイ登れるのは流石に今時の軽と言った感じですが、エンジンの振動のために車内から結構ビビリ音がします。
上り坂を抜けて下りですが、コーナーが多いところでもしっかりとしたハンドリングでロールもそれほど無くコーナリングするのは好印象。
だけどやはり車高が高いのと重さのためか、路面状況の悪い所で前後左右にヒョコヒョコとした動きをする事がありますね。
ワゴンRはフロントもリアもシートの作りが良く、スティングレーのブラックインテリアも素敵で良い車です。
燃費も急な上り坂の有るルートでも14.5km/Lと立派。
せっかくという事でワガママを言ってそのままアルトエコの試乗もさせてもらいました。

国道に出て直ぐに驚いたのが、素晴らしく軽快な加速感。
ちょっと重いスティングレーの後という事も有り、あまりの違いに驚きます。
アルトエコは740kgの軽量ボディーに52PS、6.4kgの最新R06Aエンジンを搭載。
ミッションはワゴンRより改良の進んだ副変速機付きCVTです。
様々なレビューでも言われているとおりタイヤはバイクか!と思うほどの細さなんですが、乗ってみると嘘だろ!?と思うほどの足回りの良さを感じます。
軽量化もされているしコストダウンもされているのに、印象としてはワゴンR以上の腰の強さとしなやかさを感じますね。
欠点が思い浮かびません。
スタビライザーなんてもちろん入っていないのですが、上半身が軽いお陰かスタビライザー入りスティングレーよりずっと左右ロールが安定しています。
この辺りの実感はWEBや雑誌のレビューとは違った印象を受けたので、やはりレビューを鵜呑みにするのはダメだな…自分の感性で見極めないと、と思いました。
(もちろん皆さんが私と違う感想を持つことも)
エコタイヤなんですが、コーナリンググリップもまったく問題なく、スズキの軽らしくハンドリングも良好。
シンプルなインテリアも安っぽくなく好印象で、ハンドルもウレタンですがグリップよし。
そしてエンジンが素晴らしいですね。
K6Aが軽らしいエンジンだとすると、R06Aは普通車と遜色ないエンジンです。
パワーもさることながら、静粛性もばっちりで振動も少ない。
先ほどスティングレーが唸りを上げながら登った坂も、普通車的な感覚で静かにスムーズに登って行きます。
そしてCVTも完成度高く、副変速機の変速タイミングによるショックなども皆無。
ノイズが気になったりとか滑りが気になったりという事もなく、加速感も良好です。
これで80万円台!?と思う完成度で、しかも急坂を登りながらも燃費は17.5km/L。
フラットなルートなら簡単に25km/Lを超えるとの事です。
コース的にアイドリングストップが生きるコースでは無かったのですが、数回有ったタイミングでは至って静かにエンジン停止、そしてブルンと軽快にエンジンスタートと違和感なし。
ただ、営業さんからどうですか?と聞かれても、うーんと言わざるを得なかったのは、シートが小さすぎ…
女性でも今時は私より遥かに足が長いんだから、座面をせめてワゴンR並にしないと落ち着かないのでは。
おしりだけで座っている感じになります。これだと長距離は無理そう。
それはフロントもだし、リアもそう。
リアヘッドレストが無いことを除いても、やはりリアシートに大人がゆったり座るというのは望み薄。
エンジンやミッションは最高に良いのだから、もっとシートという大切なドライバビリティは重要視して貰いたいと思いますね。
逆に言えば欠点はそれくらいで、さらにアルトエコはイース対抗の飛び道具的ポジションだと思うので、30.2km/Lの燃費を達成した段階で十分なのかもしれません。
今後燃費の良くて、もっとメインでも使える別のモデルが出るでしょうし。

